• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実施状況報告書

口腔がん幹細胞を標的とした腫瘍溶解ウイルスの作製

研究課題

研究課題/領域番号 18K09737
研究機関北海道大学

研究代表者

安田 元昭  北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (90239765)

研究分担者 東野 史裕  北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (50301891)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードアデノウイルス / UTR
研究実績の概要

真核細胞は、増殖因子や栄養の欠乏、ウイルス感染、突然の温度上昇などのさまざまな状況の変化に応答してタンパク質合成全体の速度を減少させる。がん細胞においては正常細胞とは異なった表現型がみられる。アデノウイルスはこのような宿主反応に対抗するため、tripartite readerと呼ばれる5’ 非翻訳領域配列により宿主細胞のタンパク質合成速度が減少している環境においても自身の構造タンパク質を優先的かつ高効率な状態で発現する(宿主細胞に発現させる)ことができる。ウイルス構造蛋白質の発現効率をがん細胞で特異的に上昇させることは、より高い腫瘍溶解性能を実現することにつながっていく。我々は、mRNAの5’ 非翻訳領域にmRNAの二次構造を変化させるような配列を導入することによりキャプシドタンパク質発現に関与するがん細胞特異的な宿主因子をより容易に解析できるのではないかと考え、断片化したマイコプラズマDNAをルシフェラーゼ・リポーターの5’ 非翻訳領域にクローニングしたライブラリーを構築し、がん細胞に導入・発現解析を行った。現在まで375個のクローンの発現解析を終了しているが、細胞腫により発現が大きく異なる数種のクローンを確定することができた。Real Time PCRの結果からmRNAの転写量に大きな変動は見られず、翻訳過程における何らかの変化が原因であると考えられた。マイクロアレイ解析の結果はRNAヘリカーゼ様遺伝子の関与を示唆するものであった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

Lin28Bの発現が293細胞と293T細胞において数百倍の差異があることがわかり、これをヒントに候補遺伝子が絞り込めることが分かったため。

今後の研究の推進方策

候補遺伝子とmRNA二次構造の関連を明らかにし、口腔がん幹細胞を標的とした新規の腫瘍溶解性アデノウイルスシステムの構築を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

発生した金額は、年度末に購入を予定していた試薬単価がキャンペーン価格等により想定した額よりも安価になったため生じたものであり、また金額も総額の1.3%程度であり今年度実験計画遂行上影響はなかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Oncolytic potential of an E4-deficient adenovirus that can recognize the stabilization of AU-rich element containing mRNA in cancer cells.2018

    • 著者名/発表者名
      Yanagawa-Matsuda A, Mikawa Y, Habiba U, Kitamura T, Yasuda M, Towfik-Alam M, Kitagawa Y, Minowa K, Shindoh M, Higashino F
    • 雑誌名

      Oncol Rep.

      巻: 41(2) ページ: 954-960

    • DOI

      10.3892/or.2018.6865.

    • 査読あり
  • [学会発表] A novel role for E4 orf4 in the translation of late adenovirus mRNA2018

    • 著者名/発表者名
      Motoaki Yasuda, Fumihiro Higashino
    • 学会等名
      RNA学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi