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2020 年度 実施状況報告書

舌癌腫瘍浸潤バリア理論構築によるMinimum Invasive Surgery

研究課題

研究課題/領域番号 18K09742
研究機関大阪大学

研究代表者

大倉 正也  大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (10281130)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔癌 / 舌癌 / 浸潤様式 / QOL / 予後
研究実績の概要

T1-2N0舌癌の頸部リンパ節転移を起こすリスクを計算するため、原発浸潤先端部の腫瘍細胞の形態と隣接組織について検討した。その結果、Budding形態と舌の筋肉や脂肪組織と腫瘍細胞の隣接が最も後発転移に関連する因子であった。治療前のBody Mass Index (BMI)は種々の癌予後に関連することが示されている。口腔癌でも当初肥満と予後不良の関係が示されていたが、最近は痩せているほうが予後不良で、肥満はむしろ予後良好であると報告がみられるようになった。本研究でもその関連を調べた結果、痩せと予後不良の関連を確認した。一般的に痩せていることは低栄養を示し、癌治療に耐えうる能力不足を指摘されているが、今回の研究ではそれよりリンパ節転移との関連を示す結果が認められた。より詳細に検討を行う予定である。TNM分類・Ver8と下顎管浸潤について、資料が大方集まってきたので、検討が開始できる段階にある。ただ、N分類は、その判断基準が明確ではないので、施設間での統一に至ることができない。単施設での検討に変更する必要があるかもしれない。被膜外浸潤陽性あるいは切除断端近接は再発転移のリスク因子であるが、これらの症例の術後両方について検討した結果、CDDPを用いた化学放射線療法は、局所と所属リンパ節の再発を抑制するが、全生存には関連しないことが明らかになった。舌癌浸潤様式を検討は、電子画像のデータで行っているが、検討範囲に制限があり、進行が遅い状態である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

今回のウイルス蔓延にて、移動制限が支障となり、電子データでの検討しか可能でない。また、歯学部の建物工事に伴う、資料の閲覧が困難になっていることもさらに研究の進捗に影響を及ぼしている。

今後の研究の推進方策

BMIと予後の関連、特にリンパ節転移との関連について明らかにするため、まず、治療前に他の癌をある症例を省く必要があり、調査している。また、痩せている方の癌治療が不十分で終わっているのかも検討予定である。口腔癌は胃がん等と異なり、痩せてきたことが主訴で初診されることは、まずないといって過言ではない。すなわち、病態の影響で痩せていることは極めて進行した口腔癌でないとあり得ない。このため、リンパ節転移のリスクが高いとなると、舌癌の浸潤様式の研究との関連、脂肪組織浸潤の問題と極めて強い関連性が考えられる。どのような角度で発表するかを検討する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

コロナ感染等により、移動制限があり、また、歯学部の建物の改装ため、資料等が閲覧できない状態にあり、電子データとして保管しているものでの研究解析にとどまっているため
デスクトップのPCが処理速度が遅くなってきたので、購入し、また、腫瘍からのマージンまでの距離の測定のためにライトの購入、統計処理のついての助言、英文校閲費用、投稿費、多施設研究グループの会合費などに科研費の使用を考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Postoperative adjuvant therapy for patients with loco-regionally advanced oral squamous cell carcinoma who are at high risk of recurrence.2020

    • 著者名/発表者名
      Yanamoto S, Denda Y, Ota Y, Hasegawa T, Akashi M, Okura M, Yamada SI, Kurita H, Yamakawa N, Kirita T, Ueda M, Umeda M; Japan Oral Oncology Group (JOOG)
    • 雑誌名

      Int J Oral Maxillofac Surg

      巻: 49 ページ: 848-853

    • DOI

      10.1016/j.ijom.2019.12.007

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical significance of the G8 screening tool in elderly patients with oral squamous cell carcinoma.2020

    • 著者名/発表者名
      Yamada SI, Hasegawa T, Okuyama K, Yamakawa N, Okura M, Hashidume M, Yanamoto S, Akashi M, Kirita T, Umeda M, Kurita H.
    • 雑誌名

      Clin Oral Investig

      巻: 24 ページ: 1953-1961

    • DOI

      10.1007/s00784-019-03056-y

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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