研究課題
口腔癌の予後とBMIとの関連についての検討:当初1906例で検討であったがさらに追加症例があり、2023例の検討となった。競合リスクを考慮したFine-Grayモデルを用いて、検討した。経過観察中央値62か月、5年累積疾患特異的死亡率は、痩せたBMIでは25.7%、正常のBMI12.7%と比較して、51%の死亡リスクが高いことが統計学的に有意に示された。(P<0.0001)再発転移との関係を検討した結果、局所再発とBMIの関連は認められず、所属リンパ節転移と有意に関連しており、痩せたBMIは正常と比べて55%同転移が多く、また遠隔転移発生率はBMI値が上昇すると、有意に低下した。このように低いBMIは、口腔癌のがんによる死亡率が高く、その原因は所属リンパ節転移さらに遠隔転移の発生に起因することが明らかとなり、低いBMIは口腔癌の死亡リスク因子の一つであることが明らかになった。現在投稿中口腔癌で顎骨骨髄浸潤が存在すればT4に分類されることはUICC,AJCCの第1版から現在の第8版まで採用されてきた。腫瘍の大きさと腫瘍深達度でT4に分類される以外に、口腔癌では顎骨骨髄浸潤、上顎洞浸潤、顔面皮膚浸潤、頭蓋底浸潤が有る場合、T4に分類される。そこで、この4つの浸潤の重要度を生存率で検討したところ、骨髄浸潤のみT4に分類することが、過剰診断であることが明らかとなった。そこで、骨髄浸潤を下顎管浸潤に置き換えて分類すると、最もT1-4までの生存率が、進行するに伴い悪化することが判明した。(投稿準備中)舌癌浸潤様式検討は画像取り込みがコロナで遅れています。
4: 遅れている
コロナウイルスによる移動制限が支障となり、電子データの検討しか不可能という状態である。資料の検討や組織の検討、画像の検討が進んでいない。口腔癌の登録症例数は2537例になった。その詳細なデータの、まず正確性を確保するための、検討をメールで行っているが、多施設の各担当者のレスポンスに時間がかかっている。症例数が増加するほど、この確認作業に時間が費やす必要がある。
投稿中の論文の採択をめざす。現在まで3つJournalで不採択という結果となった。しかし、レフリーの中には、きわめて参考となるご意見を頂いているので、その意見と疑問を解決することを進めている。骨髄浸潤と下顎管浸潤のデータ解析と論文作成。舌癌浸潤様式の画像取り込み速度を上げ、解析を進める。N0口腔癌の予防廓清の意義についての検討の開始、統計方法を再検討する。
コロナのため、移動が制限され、資料は電子的なものだけで研究の進める必要があったため、遅延が生じた。研究を進め、論文校正と、論文投稿費用、統計処理の専門的なアドバイスの為の費用等に使用する予定である。
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