研究課題/領域番号 |
18K09749
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
鈴木 甫 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10623340)
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研究分担者 |
石畑 清秀 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (10437957)
吉村 卓也 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (30726758)
改元 香 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 講師 (50649861)
手塚 征宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50759777)
中村 典史 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60217875)
網谷 東方 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (70535674)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔がん / フレイル / サルコペニア |
研究実績の概要 |
65歳以上の高齢がん患者数は年々増加しており、フレイルとサルコペニアの存在が、術後合併症や高齢がん患者の化学・放射線療法の副作用発生リスクの増大、さらには死亡リスクの増大につながるという報告も多い。日本臨床腫瘍研究グループでは、高齢がん患者を、元気な非高齢者と同じ標準治療を受けることのできる集団・できない集団に分類し、治療前の段階で分類を把握し、適切な治療選択を行っていくことを推奨している。そのため、治療開始前に高齢がん患者のフレイル状況を多角的に評価し、その結果を治療方針や治療遂行にどのように反映させていくかが喫緊の課題である。口腔癌は手術部位やその範囲に応じて摂食・嚥下障害に代表される頭頸部領域の機能障害を生じ、容易に栄養障害を引き起こし、フレイル・サルコペニアへと進展するリスクが高いが、頭頚部癌・口腔癌患者におけるフレイル・サルコペニアの実態は不明な点が多いとされる。昨年度は「口腔がん患者のフレイルの実態を元に患者集団の分類分けを行い、予後との関連を検討する」観点から、口腔がん患者について後方視的にCT画像評価を行い、術前に筋肉の量・質の低下を認めた群で有意に疾患特異的生存率が低下している知見を得た。このことは、術前の骨格筋量の質と量の評価が口腔癌患者の治療を最適化するために有用であり、積極的な周術期栄養療法とリハビリテーションが口腔癌の治療における良好な転帰のための新しい戦略となり得ることを示唆している。また、当該年度は、口腔がん診療連携パスのブラッシュアップ作業を進め、在宅摂食嚥下支援まで包括的にサポートする体制の整備・調整を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、当初の計画通りに遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
これまで我々が得られた知見から、術前の骨格筋量の質と量の評価が口腔癌患者の治療を最適化するために有用であり、積極的な周術期栄養療法とリハビリテーションが口腔癌の治療における良好な転帰のための新しい戦略となり得ることがわかった。そこで、今後は口腔がん患者のみならず、健康高齢者のサルコペニア・フレイルの実態をフィールドワークにて解明していく方策を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった消耗品が、当該年度分の在庫で賄えたため、次年度使用額が生じた。次年度に消耗品の購入費用に充足させる計画である。
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