研究課題
本研究の目的は核小体蛋白における基礎歯学的アプローチと18F-FDG-PET/CTを用いた臨床核医学的なアプローチを融合して予知性に富んだ口腔癌転移性リンパ節診断システムの開発を目指すものである。現状では口腔癌症例における18F-FDG-PET/CT画像上の頸部リンパ節への18F-FDG集積の程度と臨床的あるいは病理学的な所見と予後が合致しないことが多くある。この不一致や予後の予測困難さを我々独自の患者各個人に対するオーダーメイドの画像診断システムを開発することで改善できるように研究を行った。研究方法としては患者の年齢、性別、体重、検査時血糖値、歯性感染症および骨髄炎の有無と部位と程度、扁桃腺への18F-FDG集積の程度、甲状腺への18F-FDG集積、個々人におけるリンパ節の大きさ、原発腫瘍の大きさ並びに原発腫瘍とリンパ節のSUVmaxを計測した。これにパノラマエックス線画像、CT、MRI、および超音波検査所見の分析を合せてデータをまとめている。また、統計学的解析を中心に詳細に分析を加えた。具体的にはそれぞれの患者のリンパ節の大きさとリンパ節への18F-FDG集積等の傾向を探り、レトロスペクティブに検討を重ねた。体重とリンパ節の大きさと18F-FDG集積の相関、口腔顎顔面領域の炎症性変化の部位数および18F-FDG集積と頸部リンパ節のSUVmaxの平均値との相関データを作成した。各患者ごとにまた左右側別に転移性リンパ節と炎症性集積の鑑別を予想できるように具体的なフローチャートを患者個々人に対してオーダーメイドに作成できるようにデータ抽出と分析を加えた。
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