研究課題/領域番号 |
18K09754
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
小椋 一朗 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (30349972)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | SPECT / CT / MRI / MRONJ |
研究実績の概要 |
薬剤関連顎骨壊死は通常の骨髄炎と比較して治療に難渋する症例もあり、臨床的ならびに学術的に特に注目されている。通常、薬剤関連顎骨壊死症例に対して術前術後に口内法、パノラマエックス線検査、CT、MRI、核医学検査など画像検査が行われているが、これらの画像検査は治療および術後評価のためであり、薬剤関連顎骨壊死の予後予測のための画像評価の検討がなされていない。申請者は、マルチモダリティによる口腔顎顔面疾患の画像所見について検討し、以下の研究結果を得た。 ①Shear wave elastographyが頸部リンパ節転移の診断に有用であることを明らかにした(Dentomaxillofac Radiol 2019)。②SPECT/CTが薬剤関連顎骨壊死の評価に有用であることを明らかにした (Ann Nucl Med 2019)。③パノラマエックス線画像にて薬剤関連顎骨壊死の特徴像を明らかにした (Imaging Sci Dent 2019)。④ MRIにて顎関節疾患の特徴像を明らかにした (J Oral Maxillofac Radiol 2019)。⑤ SPECT/CT-SUVが薬剤関連顎骨壊死の評価に有用であることを明らかにした (Clin Radiol 2020)。⑥ SPECT/CTが唾液腺機能評価に有用であることを明らかにした (Oral Radiol 2020)。⑦ Shear wave elastographyが口蓋病変の診断に有用であることを明らかにした (Imaging Sci Dent 2019)。⑧Pericoronal myxofibrous hyperplasiaの画像所見を明らかにした (Oral Sci Int 2020)。⑨拡散MRIが口蓋病変の診断に有用であることを明らかにした (Oral Sci Int 2020)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
この1年間でパノラマエックス線画像、超音波検査、CT、MRI、SPECT/CT等のマルチモダリティイメージングにて薬剤関連顎骨壊死や他の口腔顎顔面領域疾患の特徴的画像所見を検討し、9編の論文を発表できたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、これまでの研究成果をもとに、薬剤関連顎骨壊死の未だに解明されていないマルチモダリティによる画像解析研究を一歩一歩進めて完成に導き、予後の新たな予測因子を検討し、BP製剤や骨吸収阻害薬使用患者の薬剤関連顎骨壊死を予防するための基盤となる研究を行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費が予定より少なかったため、166250円の次年度使用が生じた。次年度使用額の使用計画は来年度物品費に使用する。
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