研究課題/領域番号 |
18K09755
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
不破 信和 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 客員教授 (50156981)
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研究分担者 |
上田 潤 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (20610281)
田中 彰 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (60267268)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 超選択的動注化学療法 |
研究実績の概要 |
口腔癌に対する動注併用放射線治療は近年の良好な成績から再び注目されてきている.その方法には2つの経路があり,浅側頭動脈から逆行性にカテーテルを挿入する方法と大腿動脈からSeldinger法でカテーテルを挿入する方法である.申請者,ならびに研究分担者らは,脳血管障害のリスクを低減できる逆行性動注化学療法を25年にわたって1,000例以上施行してきており,標準治療とされている手術療法と比較しても遜色ない治療成績を報告してきた.さらに治療の精度,汎用性を高めるべく申請者らは浅側頭動脈から挿入可能なシース(ECAS)を世界で初めて開発し,またECASの動脈に挿入するマイクロカテーテルも開発した.この治療により,複数の動脈から栄養される進行口腔癌の治療は大きな進展を得られてきている.本研究では,MRIによるフローチェック時の画像解析精度向上,腫瘍栄養動脈の3次元CT解析を行い,既存の治療を評価するとともに,将来的なカテーテル改良につながる知見を得ることを目標としている.栄養動脈の解析についてはCT 画像解析ソフト(mimics)を用いてデータの収集を行っている.いくつかのパターンと血管分岐の角度などについて分析を進めている段階であり,今後統計ソフトを用いて結果を考察していく予定である.MRIフローチェックの際の画像評価では造影剤投与前に高速スピンエコー法(FSE法)およびグラジエントエコー法(GRE法)による撮像を行い,造影剤の組織内濃度について一定の知見が得られており,欧米の雑誌に投稿中である.いままで得た知見を参考にしながら,超選択的動注化学療法を行い,症例をためて精度向上が可能か否かについて前向きな検討を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
MRIによる造影剤組織内濃度の解析については順調に経過しているが,その後の症例蓄積については昨今のコロナ渦の影響もあり順調に進んでいない.
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今後の研究の推進方策 |
症例の蓄積を行いながら,投稿中の論文については順次進めていく.症例の蓄積については,待つしかない現状である.
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次年度使用額が生じた理由 |
症例の蓄積や論文投稿の参考資料,校閲などに使われるはずであった金額が,研究の遅滞によって使用されていないため. 次年度は,論文作成の校閲,参考図書の購入,必要機器購入などへの助成金の使用を予定している.
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