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2019 年度 実施状況報告書

顎関節形成の包括的分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09762
研究機関新潟大学

研究代表者

川崎 勝盛  新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)

研究分担者 前田 健康  新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳  新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 真依子  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40584587)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード顎関節 / 一次線毛
研究実績の概要

顎関節は、顎運動の中心となる器官の一つである。その機能不全は齲蝕、歯周病に次ぐ主要な歯科領域疾病である顎関節症を引き起こす。哺乳類の顎関節は二次関節で、また歯と同一の骨にあり、動物界の中では非常に特殊なものであるため、生物学的、進化学的にも極めて意義の高い構造体である。しかし、顎関節の形成メカニズムの多くは謎のままである。一次繊毛は、長年機能の不明な細胞器官であったが、近年、この一次繊毛が様々な生命現象に関与する事が明らかとなってきた。我々は、この一次繊毛内に存在するタンパクであるIft88の神経堤由来細胞特異的欠損マウスに、過剰な顎関節形成という表現系を発見し、一次線毛を介した分子メカニズムが顎関節形成に必須であることを明らかにした。前年度、Shhシグナルの間葉組織における減少が確認されたが、そのことがIft88神経堤由来細胞特異的欠損マウスに認められた過剰な顎関節形成の原因であるか検索するために、Shhシグナルの神経堤由来細胞特異的欠損マウスを作成し観察を行ったところ、Ift88欠損マウスと同様に、顎関節の過剰な形成が確認され、Ift88欠損マウスでの顎関節の異常はShhシグナルの減少によって引き起こったことが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

過剰な顎関節形成が、Shhシグナルの低下を原因とすることを確認できたことは非常に大きい。今後はShhシグナルの低下がどのような変化を引き起こすことにより、下顎が過剰に形成されるかの検索に移ることができる。

今後の研究の推進方策

昨年度、Shhシグナルの間葉組織における減少に加え、上皮におけるShhシグナルの上昇が確認された。この上皮におけるShhシグナルの上昇が二次的なものであるのか、下顎の過剰形成に直結するものなのか検索するために、Shhを上皮で過剰発現したマウスを作成し、下顎の過剰形成がひき起こるか確認する。また、そのマウスをIft88欠損マウスと交配することで、顎関節ならびに下顎骨の異常が形態的・分子的にレスキューされるかどうか検索する。下顎の過剰形成の開始ポイントの形態変化の3次元的検索を行う。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の世界的な流行を受けて、購入予定だった海外企業の試薬等が入手困難であり、代替試薬も存在しなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Ift88 is involved in mandibular development2019

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Kitamura Maiko Kawasaki Katsushige Kawasaki Fumiya Meguro Akane Yamada Takahiro Nagai Yasumitsu Kodama Supaluk Trakanant Paul T. Sharpe Takeyasu Maeda Ritsuo Takagi Atsushi Ohazama
    • 雑誌名

      Journal of anatomy

      巻: 236 ページ: 317-324

    • DOI

      10.1111/joa.13096.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2021-01-27  

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