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2020 年度 実績報告書

顎関節形成の包括的分子機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K09762
研究機関新潟大学

研究代表者

川崎 勝盛  新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)

研究分担者 前田 健康  新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳  新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
川崎 真依子  新潟大学, 医歯学系, 准教授 (40584587)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード顎関節 / 一次繊毛 / Ift88
研究実績の概要

一次繊毛 (primary cilia)は脊椎動物のほぼ全ての細胞に認められるものの、長い間、その存在意義の不明な細胞小器官であった。しかし近年、一次繊毛が細胞運動、外液移動、化学受容、光受容、機械受容、シグナル伝達などの多くの機能を有することが明らかにされている。一次線毛の顎関節形成における役割は明らかにされていない。一次繊毛内に存在するタンパクであるIft88は、一次線毛の形成に必須の分子であることが知られている。そこで本研究では、顎関節を形成する細胞である神経堤由来細胞特異的にIft88を欠損させたマウス作成し、その解析からIft88の顎関節形成における機能を解析した。
骨格標本の解析からIft88欠損マウスでは顎関節が過剰に形成されているのが明らかになった。Ift88欠損マウスでは、野生型と比較して下顎骨が肥厚していた。一次繊毛はShhシグナル経路に関与することが知られている。Shhシグナルの活性を検索するために、ShhシグナルのマーカーとされているPtch1、 Gli1の発現の解析を行った結果、Ift88欠損マウスでは、間葉においてPtch1、 Gli1の分子の発現が減弱していた。その一方、上皮ではPtch1、 Gli1の両遺伝子の発現が亢進していた。Ift88欠損マウスにおける下顎骨の肥厚の原因が、間葉におけるShhシグナルの減弱によるものであるか検索するために、神経堤由来細胞特異的にSmoが欠損したマウスを作成し、その解析を行った。その結果、Smo欠損マウスでも過剰な顎関節が認められた。Ift88欠損マウスと同様に、Smo欠損マウスでも、上皮でのPtch1およびGli1の発現が上昇していた。
以上のことから、Ift88欠損マウスでは、下顎突起間葉でのShhシグナルの減弱により下顎骨が肥厚し、それにより過剰な顎関節が形成されたことが示唆された。

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公開日: 2021-12-27  

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