研究課題/領域番号 |
18K09764
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大井 一浩 金沢大学, 附属病院, 講師 (90451450)
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研究分担者 |
中村 博幸 金沢大学, 医学系, 准教授 (30542253)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 野生型Str/Ortマウス |
研究実績の概要 |
近年、開咬や下顎後退の発症要因となる下顎頭吸収の病態解明が試みられているが未だ不明なことが多く、動物モデルも確立されていないため、基礎的研究が十分に行われているとは言えない。STR/ortマウスは膝・股関節における変形性関節症(OA)の自然発症型モデルとして確立されており、最近、雄の顎関節にもOAが発症していたことが報告されているが、それ以上の報告は見当たらない。そこで今回われわれは、STR/ortマウスにおける下顎頭形態の加齢と性差についてCTを用いて評価した。 対象はSTR/ortマウス30匹(60関節)で、10週齢(雄3匹、雌5匹)、20週齢(雄5匹、雌5匹)、40週齢(雄6匹、雌6匹)の下顎頭形態を、実験動物用X線CT装置(Latheta LCT-200)を用いて評価した。 ①OAなしを1点、②Erosionとconcavityを2点、③osteophyteを3点、④deformityを4点とし、4群に分類して点数化した。 [結果] 10週齢で3/16関節(1.3(1-2))、20週齢で11/20関節(1.5(1-4))、40週齢で24/24関節(2.4(2-4))にOAが認められた。40週齢では、雌(2.8(2-4))は雄(2(2))より有意にOAの点数が高かった。 [結論] STR/ortマウスは、顎関節OAの動物モデルとなりうる可能性があると考えられた。 さらに、組織学的な検索を行い、未処置のSTR/ortマウスにおいてはSflaninO +Fast green染色で軟骨の破壊像が認められ、進行性下顎頭吸収(PCR)様の下顎頭の変形が認められた個体も認められたため、STR/ortマウスは顎関節OAならびにPCRの動物モデルとしても有用である可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は野生型Str/Ortマウスに関する研究予定で、microCTによる形態額的検索、組織学的検索について順調に結果が出ているため。
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今後の研究の推進方策 |
[-1AlaTIMP3] Str/Ortマウスを用いて,下顎頭吸収の軟骨破壊におけるADAMTSの 役割の解明と[-1AlaTIMP3]の吸収抑制効果を検証する。3)スクレラキスプロモーター制御下でIL-6を発現させ腱靭帯の炎症、硬化を誘導し咀嚼筋にかかる力を変化させたマウスでの下顎頭吸収の変化を観察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定よりも物品費額が少なかったため
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