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2019 年度 実施状況報告書

血中循環口腔癌細胞の分離とその細胞特性解析によるリキッドバイオプシーの確立研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K09767
研究機関広島大学

研究代表者

小泉 浩一  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (30335682)

研究分担者 岡本 哲治  広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (00169153)
吉岡 幸男  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20335665)
林堂 安貴  広島大学, 病院(歯), 講師 (70243251)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードCTC / リキッドバイオプシー / 口腔癌
研究実績の概要

口腔癌患者においてCTCの検出・解析を行い、臨床病態との相関性、治療効果の判定基準及び無増悪生存率(PFS)や全生存率(OS)などの予後予測システムの開発を行っている。

健常人および当科を受診した口腔癌患者から血液を採血して、「celsee prep 100」に注入し血中循環腫瘍細胞(CTC)の検出を検討。混入した白血球をCTCと識別するために分離された細胞に蛍光標識した上皮マーカーの汎サイトケラチン抗体を反応させると共に蛍光標識した汎血球マーカーのCD45抗体および、蛍光性のDNA染色物質DAPIで細胞の核を染色。蛍光画像処理し、検出された細胞でDAPIで染色された核と汎サイトケラチン抗体で蛍光染色された細胞の形態とCD45抗体には反応しないものをCTCであると同定した。健常人ではCTCは検出されないものの、予後良好な口腔癌患者で検出されたり、全身転移し予後不良口腔癌患者で検出されなかったケースも散見された。また同一患者で複数回の測定を同時に行うも結果にばらつきがあることがあり、現在症例数を増やして臨床病態と予後との相関性を検討中である。
さらに得られたCTCのプロフィール解析を行うため、CTCより直接DNAを抽出し、illumina社の次世代シークエンサー(NGS)HiseqあるいはMiseqシステムを用いてCTCに含まれる全ゲノム配列を検討し,固有の変異と細胞学的特徴を検討中である。またCTCよりtotal RNAを抽出し、mRNAに相補的な標識RNAを合成し、これをDNA micro arrayで解析し、CTCにおける遺伝子発現状態を網羅的に解析する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

先行実験に基づいて健常人および当科を受診した口腔癌患者から血液を採血して、「celsee prep 100」に注入しCTC数を検討しているが、健常人では検出されないものの、同じ患者から複数個の血液サンプルを採取したデータにばらつきがある。さらに予後良好な口腔癌患者で検出されたり、全身転移し予後不良口腔癌患者で検出されなかったケースも散見された。そこで現在、症例数を増やすと共に検出方法について検討中である。

今後の研究の推進方策

現行のCTC測定法である「celsee prep 100」に注入するサンプル血液量を増減したり、高感度に検出できる上皮細胞マーカーの検索を行い、さらに症例数を増やすと共にCTC数の測定方法を確立し、臨床病態と予後との相関性を検討中である。
また、得られたCTCのプロフィール解析を行うため、CTCより直接DNAを抽出し、illumina社の次世代シークエンサー(NGS)HiseqあるいはMiseqシステムを用いてCTCに含まれる全ゲノム配列を検討し、固有の変異と細胞学的特徴を検討中である。またCTCよりtotal RNAを抽出し、mRNAに相補的な標識RNAを合成し、これをDNA micro arrayで解析し、CTCにおける遺伝子発現状態を網羅的に解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

概ね研究経費範囲内で研究しているが、予定通りの結果が得られず、これまでのデータで学会発表等を行うことは出来ていない。さらにCTCのプロフィール解析に着手できておらず、物品購入も行っていないため、端数を次年度に繰り越す予定である。
今後はCTCと予後との相関性に加え、DNA micro arrayや全ゲノム解析などを用いたCTCプロフィール解析を行う予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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