本申請研究では,新しい抗がん戦略として,低酸素誘導性転写因子DEC1およびDEC2の抗がん分子標的としての可能性を検討するとともに,その制御機構の解明に取り組んだ。DEC1やDEC2により抑制されるDNA損傷応答遺伝子プロモーターを用いたレポーターを作製した。siRNA導入により,DEC2抑制のがん細胞増殖抑制効果が高いことが,通常酸素および低酸素環境下で確認された。さらに,低線量率放射線照射により,AURKB遺伝子発現が大きく低下することを見出し,その発現抑制にDEC2が関与している可能性,抗がん剤感受性変化に大きく関与することを確認した。新しい治療プロトコールへの応用展開が期待された。
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