研究課題/領域番号 |
18K09773
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
新崎 章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00175960)
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研究分担者 |
海川 正人 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00325838)
丸山 哲昇 琉球大学, 医学部附属病院, 医員 (60751493)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔癌 / マイクロRNA / 後発頸部リンパ節転移 / 予測マーカー / 口腔擦過細胞診 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、口腔癌の術後にみられ、生命予後に大きく左右する 後発頸部リンパ節転移(LNM) の機序解明および新診断法の確立である。我々の前研究で、LNMとの関連が示唆されたマイクロRNA (miR)196a-5pとその標的遺伝子に着目し、以下の3つの試験を行い、エビデンスのあるLNM予測マーカーとその解析手法の確立を目指す。即ち、(A) Brush biopsy (BB)の手技で回収した口腔擦過細胞 (BB細胞) を用いた遺伝子発現解析法の確立。(B) miR-196a-5p のDLNM制御機構の解明。(C) 口腔擦過細胞を用いた口腔癌遺伝子発現診断法の確立。同miR の口腔癌に与える影響を解明することで、エビデンスのあるDLNM予測マーカーとその解析手技の確立を目指したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度は、(1) BBによる臨床サンプル回収ならびに実験手技の確立、(2) in vitro解析を行った。 (1) サンプル回収は順調であるが、回収したサンプルからのqPCRやウェスタンブロット法の実験プロトコールの確立に時間を要した。過去の報告に準じて進めてはいるが、BB細胞は回収量が少ないため、特にウェスタンブロット法でのmiR-196a-5p標的遺伝子の評価調整に難渋した。一方で、BBからのqPCR解析は、我々の別研究(学生と合同で行った研究であり、本研究助成金とは別の費用を使用)において、同プロトコールで問題なく試験が行え、興味深い結果が得られている。なお、標的遺伝子のin silico解析は終えており、2018年度に新たな遺伝子も選定した。マイクロアレイ法による遺伝子発現プロファイル解析は次年度より予定している。(2) miR-196a-5p製剤を用いてのin vitro発現・機能解析の予備実験も進めている。同製剤の導入/抑制の評価はできており、効率よく実験が可能な細胞種も選定できた。また、別研究においてヌードマウスを用いた口腔癌細胞同所移植モデル(LNMならびに肺転移モデルも含む)の作製に成功しており、次年度以降予定のin vivo解析の準備も順調である。in vitro試験の結果が出次第、in vivoでのmiR製剤試験予定である。 総合的に本研究の進行はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
in vitroでの十分な解析結果を基に動物実験へ進行する。miR導入細胞を動物に移植するよりも、口腔癌を担癌した動物に対しmiR をアテロコラーゲンを用いて投与しての発現・機能解析が妥当と考え、予定している。また、臨床サンプルを用いての解析も急ぐ予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進行状況にあわせ、試薬の購入を次年度に繰り越しにすることにしたため。
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