研究課題/領域番号 |
18K09775
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
冨永 和宏 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40188793)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | テロメア / テロメアDNA構造結合性化合物 / テロメラーゼ / TERT 遺伝子 |
研究実績の概要 |
我々はこれまでに、テロメアDNA構造結合性化合物である環状ナフタレンジイミド(cyclic naphthalene diimide;cNDI)および環状アントラキノン(cyclic anthraquinone;cAQ)の癌および正常組織由来の培養細胞に対する増殖抑制効果について検討し、両化合物は共に正常細胞よりも癌細胞に対して高い選択性をもって増殖を抑制することを確認した。また各細胞におけるTERT 遺伝子のmRNA発現レベルと増殖抑制効果の比較から、その作用は主としてテロメラーゼの産生抑制と関連する可能性が示された。そのため個体レベルでのこれら化合物の安全性を確認するためにヌードマウスによる実験を行った。 5 週齢の KSN/Slc マウス 12 匹を用いた。これを 4 群に分け、各群に0.003 mmol/kg の cAQ と cNDI 、0.03 mmol/kg のCDDPおよび生理食塩水を 2 日毎に腹腔内投与した。合計 5 回の薬物投与後に採血し、続いて屠殺および臓器の摘出を行い、それぞれ生化学的および病理組織学的に検討した。 新規化合物投与群では血清の生化学検査および病理組織学的検討のいずれにおいても腎および肝臓への毒性を認めなかった。一方、CDDP 投与群では腎および肝毒性を認め、体重も減少していた。 以上の結果より、個体レベルで新規化合物は CDDP と比べて正常組織への影響が少なく安全性が高いことが確認出来た。今後はin vivoでの抗腫瘍効果についても検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
培養細胞を用いた実験だけでなく、ヌードマウスを用いた個体レベルでの実験においても良好な結果を得られた。
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今後の研究の推進方策 |
テロメアDNA構造結合性化合物である環状アントラキノン(cyclic anthraquinone;cAQ)において、既存薬である CDDP と比べて正常組織への影響が少なく安全性が高いことが、培養細胞だけでなくヌードマウスを用いた個体レベルでも確認出来た。 今後はヌードマウスを用いた癌細胞移植実験においての抗腫瘍効果についても検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究継続中のため
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