研究課題/領域番号 |
18K09777
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
青野 悠里 日本大学, 松戸歯学部, 助手(専任扱) (50508497)
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研究分担者 |
三枝 禎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50277456)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | アセチルコリン受容体 / 側坐核 / ラット / 脳微小透析法 / 薬理学 |
研究実績の概要 |
中脳辺縁系ドパミン(DA)神経系が投射する側坐核では,神経活動を抑制すると想定されるGABA受容体がアセチルコリン(ACh)介在神経に認められる。この受容体の側坐核のACh神経活動制御への関与は明らかでない。そこでGABA受容体ligandが細胞外ACh量に及ぼす効果を指標として,GABA受容体subtypeの側坐核のACh神経活動調節における役割をin vivo脳微小透析法により解析した。比較のためGABA受容体ligandが細胞外DA量に及ぼす影響も観察した。 実験にはS-D系雄性ラットを用い,側坐核から試料として得た細胞外液に含まれるAChおよびDAをHPLC-ECD法で15分毎に定量した。試料中のAChの分解を低下させるため,低濃度のphysostigmine(50 nM)を灌流液へ添加した。その結果,GABAA受容体agonistのmuscimol(30 pmol)とGABAB受容体agonistのbaclofen(300 pmol)が示したAChの減少は,それぞれGABAA受容体antagonistのbicuculline(60 pmol)またはGABAB受容体antagonistのsaclofen(12 nmol)の併用で抑制された。基礎ACh量を減少させたmuscimol(30 pmol),baclofen(300 pmol),bicuculline(60 pmol)およびsaclofen(12 nmol)は,基礎DA量に影響を及ぼさなかった。 以上のことから側坐核においてGABAAとGABAB受容体はいずれも同部位のACh神経活動を抑制することが示された。また,側坐核のACh放出を減少させるGABAAまたはGABAB受容体刺激は,同部位のDA放出には影響を与えないことが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アセチルコリン神経とノルアドレナリン神経の相互作用に関する研究を推進する上で必要な,GABA神経およびドパミン神経とアセチルコリン神経との相互作用の特徴の解明につながる実験を当初の計画よりも早く終えることができた。本研究の成果の一部は,2018年7月に京都で行われた第18回国際薬理学・臨床薬理学会議(WCP2018)と2019年3月に大阪で行われた日本薬理学会で発表できた。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度はこれまでの研究を踏まえ,α受容体サブタイプを介した側坐核のアセチルコリン神経活動調節メカニズムの解明に取組むことを計画している。
【役割分担】統括,神経化学・行動学・組織学実験の遂行:青野悠里(研究代表者),実験の遂行:渡邉由梨子(研究協力者),石川学(研究協力者),横山仁恵(研究協力者),川島央暉(研究協力者),齊藤幸治(研究協力者),研究の助言:三枝 禎(研究分担者),J. L. Waddington(海外研究協力者)
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた実験が終了したため,550円を使用せずに残した。 次年度へ繰り越す550円と次年度経費のうち120万円を実験のための物品費として使用することを計画している。主たる使途は,実験動物,試薬,HPLC消耗品の購入である。このほかに10万円を旅費に充てる予定である。この旅費は,本年の10月11~13日に福岡市で行われる日本神経精神薬理学会年会とAsCNP(アジア神経精神薬理学会大会)における研究成果の発表(3泊4日)のためにおもに用いる。
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