研究課題/領域番号 |
18K09781
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
古賀 千尋 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (80258417)
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研究分担者 |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10253460)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | プロバイオティクス |
研究実績の概要 |
われわれは現在、抗生物質にかわる方法としてプロバイオティクスを用いた研究を大手製薬会社と共同で行っている。そして、乳酸菌のひとつであるEnterococcus faecium WB2000がin vitroでのバイオフィルム抑制効果を示すことを示した。また、口臭患者に別の乳酸菌であるLactobacillus salibarius WB21 を含むタブレットやオイル(J Breath Res, 2012)を摂取させると口腔内状態が改善し、口臭が減少することを報告した。さらに、われわれはL. salibarius WB21 含有タブレットの口臭抑制効果をdouble-blind, randomized, placebo-controlled crossover trial によって確認した。一方、乳酸菌は歯磨剤へ応用しても有効であることも明らかになりL. salibariusが齲蝕原性細菌を減少させることを報告したまた、最近われわれはE. faecium WB2000がP. gingivalis の増殖を抑制し、口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物産生を減少させることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
機械の故障が数件あり、研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
枯草菌および菌体抽出物、培養上清等の成分がP. gingivalis その他細菌の増殖や生物活性におよぼす影響を調べる。まず液体培地、寒天培地を用いてP. gingivalis その他細菌への増殖抑制を確認する。また、P. gingivalis の各種生物活性(プロテアーゼ活性、赤血球凝集活性、溶血反応等)へおよぼす影響を検討する。 歯周組織は多くの種類の細菌が棲息しているので、細菌同士の相互作用への影響も調べる。P. gingivalis は他の細菌と共凝集して組織に定着することが知られているので、P. gingivalisの共凝集能におよぼす影響を調べる。また、われわれは唾液サンプルのバイオフィルム形成実験を行っているので、この実験系にも枯草菌および枯草菌成分を応用して影響を調べる。 次に歯周病原性細菌が産生する揮発性硫黄化合物の抑制効果について検討する。歯周病原性細菌の液体培養時に枯草菌および枯草菌成分を添加し、試験管上部head space の揮発性硫黄化合物の濃度をガスクロマトグラフィーで測定する。また、すでに生成されたガスの消臭効果については揮発性硫黄化合物の標準ガスに枯草菌を加え消臭効果を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
機械の故障で当初予定していた実験が行えなかった。また、研究が進行すれば論文投稿を行う予定で、次年度はほぼ予定通りの支出が生じると予想される。
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