近年、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症・増悪因子として歯周病の関与が注目されており、両者の相関性を示唆する知見が集積しつつある。しかし、歯周病がCOPDを増悪させる機序は不明であった。そこで本研究は、歯周病原細菌から産生される短鎖脂肪酸が、気管平滑筋上に発現する短鎖脂肪酸受容体FFAR3を介して気管収縮作用をもたらしCOPD症状の悪化に寄与するとの仮説を立て検証した。その結果、短鎖脂肪酸がFFAR3を介してアセチルコリン誘発性のヒト気管平滑筋収縮作用を増強させること、またこの作用はcAMP減少シグナルと細胞内カルシウム増加シグナルを介して生じることが明らかとなった。
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