研究課題/領域番号 |
18K09790
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
武知 正晃 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (00304535)
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研究分担者 |
太田 耕司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (20335681)
小野 重弘 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (70379882)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 抗菌ペプチド / アパタイト |
研究実績の概要 |
申請者らはこれまで連通多孔体ハイドロキシアパタイト(IP-CHA; NEOBONE)のインプラント治療における骨形成能を証明し,臨床応用を行ってきた。しかしな がら,悪性腫瘍や骨髄炎などにおける広範囲な顎骨切除後の骨補填材としてのIP-CHAの応用は国内外でも報告されていない。本研究目的はIP-CHA単独と比較し て,メラトニン,細胞増殖因子FGF-2,骨芽細胞を封入した改良型IP-CHA(MFOIP-CHA)に抗菌ペプチドを封入し,抗菌作用と優れた骨形成能を併せ持つ骨補填材を開発し,広範囲な顎骨切除や骨髄炎切除後の骨補填材としての応用を考察することである。今回は抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAにおける骨芽細胞の増殖能力,骨分化能力,骨誘導能の影響について実験を行った。具体的には前回の実験で選定した抗菌ペプチドをメラトニン,細胞増殖因子FGF-2と骨芽細胞を封入したMFOIP-CHAに封入し,抗菌徐放作用を検討した。その結果、MFOIP-CHAからは良好な徐放効果が示された。さらに,MFOIP-CHA内の骨芽細胞の増殖能や,分化能力,形態,骨形成能を検討した結果、優れた骨芽細胞の増殖能や,分化能力,形態,骨形成能を示すことが分かった。続いて、抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAにおける生体親和性,抗炎症能力の検討を行った。すなわちラットの背部皮下に移植し,皮膚臨床症状の観察や,病理組織学的に炎症細胞浸潤の比較評価を行った。コントロールと同様にMFOIP-CHAは優れた生体親和性をもち、炎症細胞浸潤はほとんど初期のみの軽度であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らは現在,IP-CHA 内に抗菌ペプチドを封入する方法を開発している。さらに申請者らは,ニューキノロン系抗菌薬封入型アパタイトセメントを開発して いるため,骨補填材の抗菌ペプチドの抗菌作用や徐放作用の測定方法、また動物実験関連の手技などを習得しているので問題なく実験を行うことが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
申請者らがすでに作製している顎骨離断モデル(イヌ)と,顎骨髄炎モデル(ウサギ)を用いて、顎骨切除後の抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAブロックの骨形成能、インプラント埋入後の安定度、、術後感染制御率を検討する予定である。そのための準備はすでに整っており、動物実験メンバーの確保を行い、確実に期間内に終了できるように計画的に実行する。
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