研究課題
顎骨離断モデル(イヌ)を作製,抗菌ペプチド封入MFOIP-CHの骨形成能について検討した。当科で作製している大型動物(イヌ)による広範囲顎骨離断モデルの顎骨欠損部に,カスタムメイドしたIP-CHA 単独, MFOIP-CH, 抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAの各種ブロックを埋入した。経月的にCT検査によって,ブロックと母床骨の癒合部の骨形成能の評価を行った。また経月的にブロックを取り出し,各種脱灰組織切片を作製し,ブロック内の骨誘導能の比較を行った。その結果、抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAはIP-CHA 単独と比較して、骨形成が優れていた。続いて顎骨骨髄炎モデルを作製,顎骨除去後の抗菌ペプチド封入MFOIP-CHの骨形成能と術後感染の制御を検討した。当科で作製している顎骨骨髄炎モデルを作製した。方法としては日本白色家兎の顎骨に骨欠損を形成し,黄色ブドウ球菌を浸漬した綿球を骨欠損部に留置する。創部を縫合して閉鎖し,術後に感染部位の顎骨部分の切除,掻爬を行う。カスタムメイドしたIP-CHA 単独, MFOIP-CH, 抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAの各種ブロックを欠損部分に埋入する。径日的に血液検査,体重測定,臨床所見を観察し,炎症所見を検討した。さらに経月的にブロックを取り出し,脱灰組織切片を作製し,ブロック内の骨誘導能,あるいは菌体の存在を計測し,感染制御率を評価する。その結果、 抗菌ペプチド封入MFOIP-CHAは他の材料より炎症も少なくさらに感染制御率も高く優れていた。以上より骨形成能と抗菌作用をもつ骨補填剤を開発し,広範囲な骨欠損に対する有効性を証明する本研究は,悪性腫瘍や骨髄炎における顎骨切除後のインプラント治療のため顎骨再建術の治療応用のために有用であると考えられた。
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Dental Materials Journal
巻: - ページ: -
10.4012/dmj. 2020-224
Materials
巻: 13 ページ: -
10.3390/ma13112605