研究課題
我々はこれまでの研究でFGFシグナリングを介したMAPK経路の負の制御因子であるSprouty2に着目し、そのノックアウトマウスは口蓋裂を発症し、間接的に口蓋 裂発症に関与していることを解明した。本研究では、直接的に口蓋裂発症に関与する新規口蓋裂疾患感受性遺伝子の解明を目指し、Sprouty2ノックアウトマウスより挙上前後の口蓋突起を採取し、マイクロアレイによる網羅的遺伝子発現解析を行った。 標的遺伝子の設定:口蓋突起挙上時期に特異的に発現する遺伝子のうち、口蓋突起挙上前後で発現量の変動が大きい複数の遺伝子を標的遺伝子として設定した。 FGFシグナルおよびEGFシグナル、Wntシグナル下流に存在する転写因子などの分子にターゲットを絞っている(Spry2、Foxf2、TGFα、TGFβ3など)。また、新たな候補遺伝子として、野生型マウスの癒合前口蓋および癒合後口蓋組織より採取した RNA を用いて抽出した DNA マイクロアレイデータの中から、発現量の大きな変化がみられた遺伝子をピックアップした。Gene ontology 解析により発現上昇を認めた中で、Cell adhesion、Reguration of cell proliferation 等 の遺伝子群に注目し、疾患感受性遺伝子として可能性が高いものを選定した。特に発現変動の大きい遺伝子に関して、口蓋突起挙上前後での免疫組織化学染色を実施したが、有意な発言変動を確認することはできなかった。
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日本老年歯科医学会雑誌 37(3) 234-238, 2022
巻: 37 ページ: 234-238
10.11259/jsg.37.3_234