研究課題/領域番号 |
18K09796
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
栗原 都 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40453170)
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研究分担者 |
笹平 智則 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90405374)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 口腔癌 / MIA family / MIA2 |
研究実績の概要 |
口腔癌が浸潤、転移する過程では、様々な遺伝子異常が引き起こされ複雑に作用。したがって分子標的の候補を絞り込むのは容易ではない。また口腔癌の発生・進展・転移のkeyとなる真のドライバー遺伝子は現在までのところ明らかになっていない。申請者らはMIA gene familyであるMIA2が口腔癌のドライバー遺伝子となるポテンシャルを有している可能性があることを既に報告している。 MIA2に関連してた新シグナルはこれまでにもいくつか明らかにしてきているが、今回、申請者らはMIA2に関連した新たなシグナルとして同定された分子Xについての機能解析を行った。現在までのところ、がんにおける分子Xの機能については不明な点が多い。口腔癌材料を用いた免疫組織化学による発現解析において、分子Xは口腔癌の進展に密接に関与しており、高発現する症例ほど予後不良となる傾向が確認された。リアルタイムRT-PCRによる定量的遺伝子発現解析では、正常粘膜と比較して口腔癌症例において分子Xの高いレベルでの発現が確認され、腫瘍マーカーとなる可能性を見いだした。口腔癌細胞株を用いたin vitroの検討においても、分子Xは種々の機能を調節することで口腔癌において腫瘍促進性に作用することを確認している。 今後は、分子Xをはじめとした新たなMIA2関連分子について、口腔癌の診断・治療標的となり得るかについてさらなる検討を重ねる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
口腔癌における新たなMIA2関連因子として分子Xを同定し、解析を行っている。現在までのところ、臨床検体での発現解析は概ね順調に行えている。しかしながら、in vitroの解析において今まで行ったことのない手法での解析を余儀なくされ、その準備や手法の取得に手間取ったために若干予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
新たな手法については理解し、手技も概ね取得することができた。ホ年度はin vitroでのさらなる解析を円滑に遂行することが可能になると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
分子Xの機能解析を行う手法について手技を取得したため、本年度は機能解析を重点的に行う予定である。
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