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2021 年度 実績報告書

MIA2関連シグナルを標的とした口腔癌の分子診断・治療の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 18K09796
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

栗原 都  奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (40453170)

研究分担者 笹平 智則  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (90405374)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔癌 / MIA family / MIA2
研究実績の概要

Melanoma inhibitory activity(MIA)gene familyは分泌タンパクであり、種々のがんの進展に関与している。申請者らも口腔癌においてMIA gene familyが腫瘍促進的な機能を有していることを既に報告している。
最終年度である今年度は、MIA gene familyに関連した新たな分子であるmucin 20(MUC20)についての解析をおこなった。MUC20はムチンの産生に関わる分子であるが、MUC20を遺伝子導入した細胞株ではTc-metのリン酸化が亢進することで細胞増殖能が上昇し、また、細胞接着に関わるE-cadherinの分泌低下と間質の破壊を促進するmatrix metalloproteinase-2(MMP-2)の分泌増加により浸潤能の促進にも関与していた。さらに、MUC20により口腔癌細胞株からのvascular endothelial growth factor-A (VEGF-A)とVEGF-Cの分泌が上昇し、血管/リンパ管内皮細胞の遊走能・増殖能・管腔形成能の獲得ならびに口腔癌細胞株と内皮細胞の接着性増強を誘導することも見いだした。臨床検体による免疫組織化学においてMUC20の陽性率は30.1%(64/213)であり、その発現は臨床病期(Tグレード)、リンパ節転移、微小血管密度(microvessel density;MVD)、微小リンパ管密度(lymphovessel density;LVD)と有意に相関しており、MUC20陽性症例は陰性症例よりも予後不良であった。
以上より、MUC20は分泌タンパクとして作用することで口腔癌における新たな診断・治療標的となる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] SERPINE2 is an oral cancer-promoting factor that induces angiogenesis and lymphangiogenesis2021

    • 著者名/発表者名
      Sasahira T, Kurihara-Shimomura M, Shimomura H, Kirita T
    • 雑誌名

      Int J Clin Oncol

      巻: 26 ページ: 1831-1839

    • DOI

      10.1007/s10147-021-01970-4.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Identification of oral squamous cell carcinoma markers MUC2 and SPRR1B downstream of TANGO2021

    • 著者名/発表者名
      Sasahira T, Kurihara-Shimomura M, Shimomura H, Bosserhoff AK, Kirita T
    • 雑誌名

      J Cancer Res Clin Oncol

      巻: 147 ページ: 1659-1672

    • DOI

      10.1007/s00432-021-03568-9.

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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