研究課題/領域番号 |
18K09808
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一祐 京都大学, 医学研究科, 講師 (40599932)
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研究分担者 |
小山 典昭 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30599931)
八十田 明宏 京都大学, 医学研究科, 講師 (50378642)
山中 茂樹 京都大学, 医学研究科, 医員 (80637596)
別所 和久 京都大学, 医学研究科, 教授 (90229138)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 軟骨無形成症 / 顎変形症 / CNP / 大後頭孔 |
研究実績の概要 |
前年度まで軟骨形成不全モデルマウスの顎顔面形態の解析を行い、軟骨無形成症(Ach)モデルマウスは、ヒトと同様に中顔面の矢状方向の劣成長や大後頭孔の狭窄を認めた。さらにCNP過剰発現マウスとの交配により、Achマウスで生じた顎変形症を改善することが出来た。以上のことから、Achマウスの上顎の劣成長は、頭蓋底軟骨結合部の早期骨化および軟骨組織の成長抑制が原因であることが明らかとなった。またCNPの投与が顎変形症治療に有効である可能性が示唆された。 今年度は大後頭孔の解析を行った。大後頭孔の成長には大後頭孔を構成する軟骨結合部(anterior intra-occipital synchondroses (AIOS)とposterior intra-occipital synchondroses (PIOS))の内軟骨性骨化による成長が重要であるとされている。そこでAIOSとPIOSの組織学的解析を行った。10日齢においてPIOSの早期の骨癒合とAIOSの狭小化を認めた。AchマウスとCNP過剰発現マウスの交配により、Achマウスで認めた大後頭孔の狭窄は血中のCNP濃度上昇により改善しており、組織学的解析では、AIOSの軟骨細胞の肥大化により結合部の幅が広くなっていた。PIOSの早期骨癒合については改善することはできなかった。 以上のことから、CNPの血中濃度上昇により、軟骨無形成症において生じる大後頭孔の狭窄を改善すること、その作用機序は、AIOSにおける内軟骨性骨化の促進によることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
軟骨無形成症における顎顔面形態異常をCNPの血中濃度上昇により改善できること、またそのメカニズムについても組織学的に解析することが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
研究は順調に施行できており、予定通り研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験は順調に施行できたが、所有していた物品でまかなえたこと。
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