口腔癌の進行症例においては通常外科的治療が選択されるが、我々は超選択的動注化学放射線療法を用いることによって根治性の向上、原発部位の手術回避によ る患者のQOL維持を図ってきた。しかし殺細胞性抗癌剤による口内炎や疼痛などが問題となる場合がある。一方最近免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が臨床応用 され、生存期間の延長など目覚しい効果が見られているが、奏効率の低さが問題となっており、その要因の一つとしてがん組織中のT細胞が少ない事が考えられている。そこで本研究ではトランスレーショナルリサーチとして、がん組織内に特異的に還流できる超選択的動注法を応用し、活性化T細胞の組織内濃度を高め、さらにICIを投与することで、より副作用が少なく高い抗腫瘍効果が期待できる養子免疫療法とICI療法の複合させた全く新しい治療法の確立を目的とする。 マウスモデルにおいてICIを動注ルートで作用させることでirAEを抑えて、より高い抗腫瘍効果が得られるかを調べるためにマウス舌癌モデルと動注の確立を行った。具体的にはSCC-VII/luc細胞をマウス舌に移植し、マウスの抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体を 1.尾静脈 2.頸動脈から投与し、 腫瘍増殖および有害事象について解析を行った。
|