研究課題/領域番号 |
18K09824
|
研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
那須 優則 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50130688)
|
研究分担者 |
堀江 哲郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10508675)
三橋 扶佐子 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (60187896)
井出 吉昭 日本歯科大学, 生命歯学部, 准教授 (70409225)
小林 朋子 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10548283)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | edaravone / HUVEC / X線 |
研究実績の概要 |
X線照射ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)に対するedaravoneの有効性を照射後の細胞数で評価した。1. HUVECを24ウェルプレートに5×10^3cells/well播種した。播種1日後にX線(0、1、2、5Gy)を照射し、5日間にわたり増殖曲線を作製した〈X線照射群〉。その結果、5、2、1、0Gyの順で細胞増殖率が抑制されたことから、線量依存的に細胞増殖の抑制が強くなった。2.HUVECを24ウェルプレートに5×10^3cells/well播種した。播種1日後、培地を除去し、DMSOに溶解したedaravoneを添加した培地(0、0.01、0.1、1、10、20mM)1mLを10分間添加した。添加後に培地を通常培地に交換し、5日間にわたりに増殖曲線を作製した〈edaravone/DMSO群〉。その結果、0.1、0.01mMではほとんど細胞毒性は観察されなかったが、1-20mMでは細胞増殖率が抑制された。このことから、放射線照射による細胞障害におけるedaravoneの軽減効果を測定するには、edaravone 0.1mMが適当であると考えられた。3.HUVECを24ウェルプレートに5×10^3cells/well播種した。播種1日後にDMSOに溶解したedaravoneを0.1mM添加した培地に交換した後、X線(0、1、2、5 Gy)を照射した。edaravoneを作用させた10分後に培地を通常培地に交換し、5日間にわたり増殖曲線を作製した〈X線照射+edaravone/DMSO 0.1mM群〉。その結果、0Gy、1Gy、2GyではX線照射のみよりもedaravoneを添加したものの方が細胞増殖率は抑制された。5Gy照射群においては、X線照射による細胞増殖率の抑制がedaravone添加により軽減された。しかし、コントロールと比べ細胞増殖率が低かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主な研究の場である共同利用研究センターの改修工事が約2年間あり、研究センター所長である研究代表者は、施設全体の研究環境を整える必要が生じた。次年度は今後の研究の推進方策を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
X線照射されたラット顎下腺組織由来株化細胞(RSMG-1)に対するedaravoneの有効性を、細胞数、Sox2、K5の遺伝子発現、Ap5の検出、細胞内および細胞培養液中の活性酸素量から追究する。HUVECに対してはCD31、VEGFの検出、細胞内および細胞培養液中の活性酸素量を測定し、唾液腺と血管の細胞に対する放射線の影響およびedaravoneの効果を評価する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
主な研究の場である共同利用研究センターの改修工事が約2年間あり、研究センター所長である研究代表者は、施設全体の研究環境を整える必要が生じた。次年度は今後の研究の推進方策を粛々と行う。
|