研究課題/領域番号 |
18K09828
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
竹下 信郎 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50431515)
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研究分担者 |
山本 照子 東北大学, 歯学研究科, 名誉教授 (00127250)
吉田 倫子 東北大学, 大学病院, 助教 (80746818)
関 大輔 東北大学, 大学病院, 助教 (90758442)
高野 郁子 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (90770462)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨細胞 / methionin enkephalin / CCN2/CTGF / 機械的刺激 |
研究実績の概要 |
機械的刺激を受容した骨細胞による骨代謝制御に、骨細胞自身のアポトーシスによる骨吸収がある。そのため、機械的刺激が促す骨細胞アポトーシスの分子制御の解析は、未知の骨代謝機序を解明するうえで重要である。神経性因子methionin enkephalin (MENK)は、内因性鎮痛因子として作用するほか、骨代謝制御に関わる。代表者らは、MENKが骨細胞において発現することを初めて示した。興味深いことに、MENKはアポトーシスの発現に関わる。一方、CCN2/CTGFは、種々の因子と結合することにより多彩な生物学的活性を発揮するが、MENKとの関わりは不明である。本研究では、CCN2/CTGFとの相互作用に着目して、機械的刺激が促す骨細胞のアポトーシスにおけるMENKの役割を明らかにする。 本年度は、圧縮力を負荷したマウス頭蓋骨の骨細胞におけるMENK発現の解析を行った。その結果、圧縮力は骨細胞におけるMENK発現を抑制することが明らかとなった。また、マウス頭蓋骨において圧縮力は骨細胞のアポトーシスを促す一方で、MENKを投与することによりアポトーシスが抑制することが示された。さらには、CCN2/CTGF中和抗体を投与後に頭蓋骨に圧縮力を負荷すると、MENKの発現が有意に上昇することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
圧縮力により誘導される骨細胞のアポトーシスをMENKが制御することが明らかとなり、またCCN2/CTGFがMENK発現を制御することが明らかとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
圧縮力が負荷された骨細胞におけるMENK下流シグナリング経路の解析を行い、圧縮力による骨細胞のアポトーシス誘導におけるMENKの役割と分子メカニズムのさらなる解明を行う。具体的には、外因性MENKを皮下注射し、マウスの頭蓋骨に圧縮力を負荷した後に頭蓋骨を摘出し、MENKの下流でアポトーシスを制御することが予測される候補因子の発現を、免疫染色により解析する。さらに、骨細胞培養系において、その候補因子の過剰発現と発現抑制を行い、機能の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用を予定していた試薬の納期が大幅に遅れており、次年度にその試薬を用いることとなったため。
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