研究課題/領域番号 |
18K09835
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐藤 恭子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (70404499)
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研究分担者 |
藤原 卓 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (00228975)
星野 倫範 明海大学, 歯学部, 教授 (00359960)
西口 美由季 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10253676)
近藤 好夫 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (30581954)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 早期発症型小児齲蝕 / 16S rRNA遺伝子 / メタゲノム解析 |
研究実績の概要 |
早期発症型小児齲蝕は小児歯科領域で近年問題となっており、疫学的調査において乳幼児期の誤った授乳習慣や罹患した小児の経済的状態等の社会的要因との関連性が指摘されている。一般的な齲蝕の原因菌はStreptococcus mutansであるが、早期発症型小児齲蝕の発症はその感染時期よりも早いことが多く、このためS. mutansを原因菌とするのは無理があるように思われ、改めて細菌学的な視点でこの早期発症型小児齲蝕の原因菌を追及した研究はあまりない。 本研究では、早期発症型小児齲蝕を発症した小児の口腔細菌叢を解析し、その原因となる細菌を検索し、齲蝕予防に役立つ新たな知見を得ること目的とする。そのために早期発症型齲蝕に罹患した小児の唾液およびプラークを採取し、16S rRNA遺伝子のメタゲノム解析による網羅的な細菌叢解析を行い、その齲蝕発症メカニズムを解明し、齲蝕予防法の開発につなげる。 以下の実験操作により、早期発症型小児齲蝕に罹患した小児の口腔細菌叢の調査を行う。①早期発症型小児齲蝕を罹患した小児(4歳未満)の唾液を採取、細菌DNAを抽出する。被験者数は20名とする。②BML社によるミュータンス菌および乳酸菌の同定検査を行う。③この抽出細菌DNAをテンプレートとして、16S rRNA遺伝子のメタゲノム解析による網羅的な細菌叢解析や菌種特異的なプライマーによる菌種同定PCRを行う。④これらの結果をデータベース化し、統計的に処理することによって、早期発症型小児齲蝕の発症に最も関連性の高い菌を属レベル、可能であるならば種レベルで同定し、示唆することを研究期間内に行う。 当該年度までに、条件にあう被験者22名からサンプルを採取後、細菌DNAを抽出し、メタゲノムすべて終了した。現在は統計処理を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナによる影響で検体の収集が予定より遅れたため、データ解析、統計処理にも遅れが生じている
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今後の研究の推進方策 |
早期発症型小児う蝕の原因細菌となりそうな細菌種の同定、う蝕発症メカニズムを解明するため、引き続き統計処理を進める
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた理由は、統計解析の遅れが生じ、学会発表ができなかったためである。現在は研究分担者と協力し、統計解析を行っている。 今後の使用計画としては、メタゲノム解析結果を小児歯科学会にて発表するための旅費に充てる予定である。
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