研究課題/領域番号 |
18K09837
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小原 悠 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (70623825)
|
研究分担者 |
佛坂 斉祉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (90199513)
北浦 英樹 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (60295087)
吉松 昌子 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (20420630)
藤村 裕治 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (70448504)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 歯学 |
研究実績の概要 |
超高齢化社会を迎え、近年骨粗鬆症など加齢に伴う疾患は増加している。また歯科に対する意識の向上や審美的要求の高まりから矯正治療を高齢患者に行う機会も増加している。そのため近年、矯正治療中の患者においても骨粗鬆症発症者の割合が増しており、歯を安定して動かし難い点が問題となっている。矯正学的歯の移動は歯槽骨の非生理的リモデリングにより可能になる。本研究は、歯槽骨リモデリングの際、破骨細胞が起こす骨吸収に重要な役割を果たすTNF-α、および骨粗鬆症患者の血清中において特徴的な動態を示し骨代謝機構にも関与するとされるオキシトシンに着目し、骨粗鬆症モデルマウスを対象に、形態学的・分子生物学的検討および矯正学的歯の移動の動態解析を行なうことを目的としている。 マウスの破骨細胞前駆細胞まで処理した細胞を用いた破骨細胞形成過程を観察すると、3日目にTRAP陽性細胞数が最大となる。その過程にオキシトシンを作用させたところ、破骨細胞形成の程度に変化を認めなかった。これはRANKL経路、TNF-α経路とも同様であった。間接的作用の検討として全骨髄細胞に対しても同様に作用させたところ、こちらでも変化を認めていない。オキシトシンの作用条件を変えて実験を進めているが、RANKL経路、TNF-α経路の破骨細胞形成過程において細胞形成の程度に変化を認めていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は培養条件の確立後、破骨細胞の活性度等の検討を行う予定であったが、現在、破骨細胞形成過程の検討段階であり、実験は遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
in vitroにおける破骨細胞分化に対し、RANKLおよびTNF-α両方の経路でオキシトシンの影響を未だ認めていないが、オキシトシン欠損に伴い骨量低下を認める過去の報告はあり、試薬、条件等の検討を引き続き行っていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は今年度の研究が遅れたことに伴って発生した未使用額であり、令和2年度分と合わせて請求し試薬購入費、実験動物購入および飼育費として使用する。
|