研究実績の概要 |
本研究は、潜在型TGF-βのOn-OffスイッチとなるLTBPとTSP蛋白に焦点を当て、胎生期口蓋突起におけるTGF-βシグナルの時間-空間的制御システムを明らかにすることも目的としている。本年度に行った解析内容と結果を以下に示す。 1.口蓋発生時のマウス組織におけるLTBPとTSP蛋白の発現パターン ICR胎児マウスを用いて、口蓋発生時のLTBPおよびTSP1の発現について免疫組織学的解析を試みたが上手く奏功しなかったため、LTBP3とTSP1についてはRNAscopeシステムによるmRNA発現解析へと切り替えて解析を進め、Tgfb3mRNA発現との比較を隣接切片にて確認した。口蓋癒合中の体制4.5日齢では、興味深い結果を得ることができた。 2.口蓋間葉で細胞外マトリックス蛋白の発現を上昇させる因子の探索 口蓋発生時の間葉に発現する細胞外マトリックス蛋白のうち、Periostin, Tenascin C, Fibronectin, Type I Collagenについて着目し、これら細胞外マトリックス蛋白の発現を上昇させる因子の探索を行った。ICR胎児マウスの口蓋より間葉細胞を採取し細胞培養を開始、TGF-β、およびSonic Hedgehog を培地に添加し、qPCR法を用いて、Periostin, Tenascin C, Fibronectin, Type I CollagenのmRNA発現変化を調べた。
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