研究課題/領域番号 |
18K09859
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
菅 北斗 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (40610621)
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研究分担者 |
岩崎 智憲 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10264433)
山崎 要一 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30200645)
三島 克章 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60304317)
中野 旬之 大阪医科大学, 医学部, 講師 (60511730)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 閉塞性睡眠時無呼吸 / 口腔内装置 / 流体力学解析 |
研究実績の概要 |
本研究では、口腔内装置(OA)を用いた閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)の流体力学解析(CFD)による上気道通気状態を評価することを目的とした。 OA治療を行ったOSAに対し、CT検査およびPSG検査を治療前後に実施し、CTデータから、3次元画像構築ソフト(Intage Volume Editor)を用いて上気道の立体モデルを構築し、表面形状データとしてSTL化し、熱流体解析ソフト(Phoenics)を用いてCFDを実施し、吸気時の上気道通気状態を評価した。本研究では硬口蓋部、軟口蓋最狭窄部、口蓋垂先端部、喉頭蓋先端部の咽頭気道における気道内陰圧と気流速度を算出した。 OA治療前後のCFDを比較すると、咽頭気道内陰圧は、軟口蓋最狭窄部・口蓋垂先端部・喉頭蓋先端部でそれぞれ有意に軽減した。また、気流速度は軟口蓋最狭窄部・喉頭蓋先端部でそれぞれ有意に軽減した。 睡眠データとCFDデータの相関について、OA治療前はAHIと喉頭蓋先端部の咽頭気道内陰圧に有意な相関を認め、AHIの治療変化量は口蓋垂先端部と喉頭蓋先端部の咽頭気道内陰圧の治療変化量にそれぞれ有意な相関を認めた。 これらの結果より、CFDから得られる咽頭気道内陰圧は、OSAの重症度を評価する新たな指標となる可能性があり、また、気流速度は、上気道の通気障害部位の検出に有効であることが示唆された。今後、CFDを用いて上気道通気状態を明らかにすることで、OA治療の適応や効果予測に応用することができ、OA治療による良好な成績につながることが期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
流体力学解析も順調に行えており、当初の研究予定どおりに進行できている。
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今後の研究の推進方策 |
口腔内装置の治療効果を上気道の流体力学解析により明らかにしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度購入予定であったワークステーションを購入しなかったため、当該助成金が生じた。次年度は論文投稿に関連する費用及び流体力学解析で使用するワークステーションの購入を予定している。
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