本研究では、特異的な破骨細胞機能の抑制によって、歯の移動の自由なコントロールを行う事ができるか確認し、それにより新たな矯正治療法の基盤を形成することを目的としている。具体的には、今後の臨床応用に向けて、リベロマイシンA(RMA)の軟膏による局所投与を行い、歯の移動の制御を目指す。 まず、歯の移動実験を行った際の、全身投与によるRMAの影響を詳細に検討するため、ビスホスホネートの全身投与との比較について論文にまとめ、American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics 2020;157(5):680-689に掲載された。さらに、RMA軟膏を用いて実験を行う際の予備実験として、局所投与としての局所注射で歯の移動をコントロール出来るかどうかの確認を行い、European Journal of Orthodonticsに受理された。
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