研究課題
オーラルフレイルおよびフレイルに関連する要因を検討するため、都市部地域在住高齢者を対象とした全身状態と口腔保健に関する大規模調査を実施した。収集したデータを横断的・縦断的に分析することにより、地域で評価可能な指標によるリスク因子の抽出を行った。研究1:地域在住高齢者722名(平均年齢79.1±4.5歳)を対象とした調査により、口腔機能の軽微な低下の重複を意味するオーラルフレイルには、孤食の有無が関連していることが明らかとなった。同様に、地域在住高齢者220名(平均年齢73.5±5.6歳)を6年間の縦断研究では、唾液分泌低下の発現に食欲の低下が影響していることが示された。研究2:地域在住高齢者を対象とした横断研究および縦断研究により、要介護・死亡等のリスクとなる身体的フレイルの発現の予測因子となる口腔要因の探索を行った。地域在住高齢者643名(平均年齢73.9±6.7歳)の横断データによる分析では、多剤服用等の要因を調整しても、口腔乾燥感の自覚が身体的フレイルの発現の有意な関連要因であった。一方、地域在住高齢者609名(平均年齢73.7±5.8歳)を5年間(平均観察期間3.4±1.3年)追跡した縦断データによる分析では、年齢、性別、全身疾患等の要因を調整しても、口腔乾燥感の有無が身体的フレイル発現のリスク因子であることが示された。以上の結果より、孤食や食欲の低下は、オーラルフレイル発現のサインとなりうる可能性が示された。さらに、口腔乾燥感の訴えは、将来的な身体的フレイルの発現の予測因子となる可能性が示された。
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