研究課題/領域番号 |
18K09881
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
坂本 治美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10805253)
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研究分担者 |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
福井 誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50325289)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 1歳6か月児健康診査 / 無料妊婦歯科健康診査 / 母子歯科保健調査 / 喫煙習慣 / 歯科保健行動 / 間食回数 / 定期歯科健診 |
研究実績の概要 |
・2015年4月~2018年3月の期間にN市にて実施している1歳6か月児健康診査を受診した者(942名)を対象とし、母子歯科保健調査(1歳6か月児歯科健診アンケート)を実施した。対象者を「非喫煙者」「元喫煙者」「現喫煙者」の3群に分け、母親の喫煙習慣と子どもの出生時体重、歯科保健の知識及び歯科保健行動など7項目について分析を行った。喫煙習慣は、「母親の定期歯科健康診査受診」、「歯周病と全身疾患との関連性の知識」の項目について有意な差が認められた。この結果については、2019年2月8日、四国公衆衛生学会にて「妊産婦の喫煙習慣と歯科保健行動との関連性」という演題にてポスター発表を行った。 ・2015年4月~12月の期間にN市にて実施している1歳6か月児健康診査を受診した母子を対象とし、無料妊婦歯科健康診査(妊婦歯科健診)の効果について分析を行った。妊婦歯科健診の受診の有無と妊婦歯科健診後の歯科保健行動、1歳6か月児の口腔保健管理状況との関連性について分析を行った。1歳6か月児健康診査、母子歯科保健調査(1歳6か月児歯科健診アンケート)、妊婦歯科健診結果を突合した。妊娠時に定期的に歯科を受診していなかった者のうち、介入群(妊婦歯科健診受診者)とコントロール群(妊婦歯科健診非受診者)の2群に分け、χ2検定にて分析した。その結果、介入群はコントロール群に比べ定期歯科健診の受診率が有意に高い値を示した。また、介入群は、コントロール群と比較して幼児の間食回数が1日2回以下と回答した者の割合が98.0%と多く非受診群に比べ有意な差が認められた。この結果については、2018年1月26日、四国公衆衛生学会にて「妊娠期の歯科健康診査の有用性に関する研究」という演題にてポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
・N市での無料妊婦歯科健診結果と自己回答式質問票のデータから妊娠期の口腔状況の把握と分析を行い、さらに1歳6か月健診時のアンケート調査と歯科健診結果を突合させて、妊娠期の歯科健診受診群と未受診群との間での比較を行い、ポピュレーションアプローチとしての効果を検証する予定であったが、歯科健診のデータの入力が遅れており分析に至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究の遅れを挽回するためには、1歳6か月児健診での歯科健診結果の入手が必要である。子どもの健診のデータはすべてN市の担当者が入力しているが、業務が多忙であり歯科健診データの入力までに時間が必要とのことである。得られた1歳6か月児健診のデータを基に、妊婦歯科健診を起点として出産後の1歳6か月児健診に至るまでの継続した情報(口腔内診査・生活習慣・口腔衛生に関する理解度など)を突合させ、分析を行う。得られた結果からN市の無料妊婦歯科健診の効果について分析を進めていく予定である。 上記を踏まえ、今後は、N市とのデータ入力作業を含めた研究協力の方法について検討することが必要である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究連携先でのデータ入力が遅延しており、これを用いた解析ができていない状況である。 2019年度は上記データを用いた統計解析を行う予定であり、そのためのパソコン及び統計解析ソフトを購入予定である。
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