研究課題/領域番号 |
18K09882
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 講師 (20509591)
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研究分担者 |
竹内 研時 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (10712680)
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 歯周病 / 性差 / 終末糖化産物 |
研究実績の概要 |
2019年度は、福岡県久山町の生活習慣病予防健診で久山町住民を対象に歯科健診を633人(男性255人、女性378人)に対して実施した。また、次年度以降に口腔の状態と終末糖化産物の変化の関係における性差を評価するにあたり、昨年度は年代別の口腔状態の性差を調べた。その結果、50~70代では女性の歯周組織状態が良好である傾向が認められた。歯数に関しては、50、60歳代で女性のほうが少数歯欠損の者は多く、60歳代では男性のほうが多数歯欠損が多かった。今年度は過去の歯科健診データを用いて口腔の状態の変化に性差が認められるかを調べた。久山町の歯科健診では2010年は60歳代を主に対象とし、2012年は全年齢を対象としている。2010年から2012年の歯周組織状態の変化と歯の喪失について性差を評価した。2010年と2012年の歯科健診を受診した者は60~69歳で530人であった。歯周組織の評価は、Centers for Disease Control and American Academy of Periodontologyの定義に従い、隣接面のアタッチメントレベル(AL)4mm以上が2歯以上または歯周ポケット(PD)5mm以上が2歯以上を中等度以上の歯周病とした。2010年に既に中等度以上の歯周病を保有していた142人と無歯顎で歯周組織検査をしていない7人を除き、381人で歯周病発症の性差について解析した。2年後に歯周病を発症していた者は全体で76人(19.9%)、男性は28.0%、女性は13.1%であった(カイ二乗検定 p<0.001)。また、2年間で1本以上歯を喪失していた者は全体で139人(26.2%)、男性は28.3%、女性は24.3%であった(カイ二乗検定 p=0.292)。歯周病の発症では女性よりも男性のほうが多く、性差が認められたが、歯の喪失では性差は認められなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画どおり、歯科健診の実施と血漿試料を採取したが、グリセルアルデヒド由来の終末糖化産物は測定していない。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、過去の血漿試料を用いてグリセルアルデヒド由来の終末糖化産物を測定し、口腔の健康状態との関連性を解析する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定であったグリセルアルデヒド由来の終末糖化産物を測定しなかったため、次年度使用額が生じた。
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