研究課題
平成30年12月~31年3月にかけて男性141人・女性75人(合計216人、平均年齢75.1±5.8歳)を対象に脳ドック検診を実施した。 ①対象者の臨床情報の把握として、自記式質問票による生活習慣・既往歴調査、食品摂取頻度調査・3日間食事記録調査、身長・体重・血圧・心電図の測定、尿検査(蛋白や潜血、アルブミンなど)、血液検査(一般的生化学項目、高感度CRP、TGF-β、αKlothoなど)、②認知症・認知機能検査の実施、脳高次機能検査(Mini- Mental Sate Examinationと語想起課題)、③頭部MR検査画像、④筋力・骨密度、ロコモ度測定、⑤口腔内状況の診査、口腔保健に関するアンケートなどを測定した。本研究の目的は認知機能低下、脳血管疾患ならびにフレイル・低栄養に関連する口腔機能の因子の探索を行い、将来の老年疾患・フレイルを予防または全身機能の維持・改善につながる因子を明らかにする。老年疾患やフレイルと口腔機能低下の関連についての研究は散見されるものの、老年医学・栄養学・歯学を縦断的に網羅的に評価したものは少ない。口腔機能を一つのスケールで評価することは困難であるため、本研究では残存歯数等の口腔内視診検査に加えて、咬合力・咀嚼能力・咀嚼筋活動・咬合接触量・舌圧などの実数値を用いて客観的に多面的に評価し、全身のフレイルとの関連を探索する。コロナ対応で遅れが出ていたが、解析が進み、一定の解析結果を出すことができた。