研究実績の概要 |
我が国の死因第 3 位である肺炎は,高齢者の誤嚥性肺炎が極めて高率を占めている。誤嚥により真菌性肺炎の原因になりうる常在菌のカンジダ菌 (Candida albicans) は,抗真菌薬剤による治療を施しても多くが再発するため,耐性菌を産生しない新たな根本的治療法の開発が求められている。そこで申請者は,抗真 菌剤とは異なる殺菌メカニズムを用いることを創案した。光励起色素でもある歯垢染色液色素が光励起で産生される活性酸素種による殺菌法のメカニズムの検討 と新規セルフ口腔ケアモデルを確立すべく,昨年度に引き続き以下の研究を行った。 前年度までに検討した内容を基に、カンジダ菌に対する酸化ストレスの影響をカルボニル化にて検討を行った。CFUや活性酸素種測定では歯垢染色液に対し青色光で影響が認められたが,カルボニル化は認められなかった。そこでより活性酸素種が産生されると思われる歯垢染色液色素の励起波長に近い緑色光に変更し,CFUや活性酸素種の影響から再検討を行い,活性酸素種の産生,カンジダ菌殺菌に対する影響を認めた。このデータを基にカルボニル化を検討したところ,色素単独や緑色光単独ではカルボニル化は認められなかったが,両者の存在下ではカルボニル化が認められた。
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