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2020 年度 実施状況報告書

舌運動による喉頭挙上訓練法の開発‐舌骨上筋群の筋力強化プログラムの検討‐

研究課題

研究課題/領域番号 18K09899
研究機関聖隷クリストファー大学

研究代表者

佐藤 豊展  聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 准教授 (80758699)

研究分担者 柴本 勇  聖隷クリストファー大学, リハビリテーション学部, 教授 (30458418)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード喉頭挙上訓練 / 舌挙上 / 舌骨上筋群 / 嚥下 / 嚥下障害
研究実績の概要

本研究は2つのことを研究課題として取り組んでいる.研究1は,健常者を対象に舌の運動強度と舌骨上筋群の筋活動の関係を明らかにすることが目的である.研究2は,喉頭挙上不全への舌運動訓練プログラムを提案することが目的である.

研究1は健常若年群と高齢群を対象に,舌圧の強度と舌骨上筋群の筋活動の関連について検討した.両群ともに舌圧の強度と舌骨上筋群の筋活動に強い正の相関を認めた.健常若年者では舌圧65%,健常高齢者では舌圧50%の強度で舌圧発揮を行うと,頭部挙上時の舌骨上筋群の筋活動と同程度の筋活動が得られた.健常高齢者では舌圧50 %の強度で舌骨上筋群の筋活動を動員すれば,舌骨上筋群の筋力を強化できる可能性が示唆された.本研究は論文で発表をした(佐藤ら,2021).次に,舌挙上の持続時間や頻度を検討する目的で,舌挙上運動が喉頭挙上の訓練法として適用できるか,舌骨上筋群の筋疲労の点から検証した.舌の運動強度,持続時間,頻度を設定し,舌骨上筋群の積分値と平均パワー周波数を解析した.舌骨上筋群の振幅は増加し,周波数が低周波へシフトしていたことより,舌骨上筋群に筋疲労を認めていることが明らかになった.本研究は学会で発表した(佐藤ら,2019).

研究2は研究1で得られた運動負荷量をもとに,舌前方部での挙上運動の訓練が舌・口唇・下顎運動に与える効果を検証した.結果として,①舌挙上運動は内舌筋や外舌筋とともに舌骨上筋群の筋力を強化する可能性が示唆されたこと,②運動強度50 %では最大舌圧は強化されないこと,③舌の突出-後退,舌左右移動,/ta/の交互反復など前舌の課題は増加しており,奥舌で生成する/ka/や口唇で生成する/pa/の課題は増加しておらず,課題特異性があることが明らかになった.本研究は学会で発表した(佐藤ら,2018).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は2つのことを研究課題として取り組んでいる.研究1は,健常者を対象に舌の運動強度と舌骨上筋群の筋活動の関係を明らかにすることが目的である.研究2は,喉頭挙上不全への舌運動訓練プログラムを提案することが目的である.研究1は論文での発表を終えた.研究2は現在論文化を進めている.

本研究は喉頭挙上不全への舌運動訓練プログラムを提案することを目的としている.プログラムを提案するためには,効果判定の方法を検討する必要があると考え,現在検討している.具体的には,動作解析装置 (3Dモーションキャプチャシステム) を用いて,喉頭挙上を判定する方法を検討している.2020年度は新型コロナウイルス感染症のため,十分なデータを収集することができなかったため,研究期間を1年延長した.

今後の研究の推進方策

本研究は喉頭挙上不全への舌運動訓練プログラムを提案することを目的としている.プログラムを提案するためには,効果判定の方法を検討する必要があると考え,現在検討している.具体的には,動作解析装置 (3Dモーションキャプチャシステム) を用いて,喉頭挙上を判定する方法を検討している.

次年度使用額が生じた理由

現在、喉頭挙上を判定する方法を検討している.今後、被験者に協力を依頼するため人件費や謝金が必要になる。そのため当初予定していた旅費やその他の経費を一部計上に留め、残金が生じた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 舌挙上による舌骨上筋群の筋力強化訓練の検討‐舌圧強度の点から‐2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤豊展、近藤健男、柴本 勇、出江紳一
    • 雑誌名

      日摂食嚥下リハ会誌

      巻: 25(1) ページ: 3-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 健常高齢者における一回嚥下量を変えたときの舌骨上筋群と舌骨下筋群の筋活動量の変化‐表面筋電図を用いた検討‐2020

    • 著者名/発表者名
      佐藤豊展,谷合信一,Huu Hanh Nguyen Thi,秋山直登,鈴木優希,安武夏海,Vi Vu Tuong, 柴本勇
    • 雑誌名

      嚥下医学

      巻: 9(2) ページ: 189-198

    • 査読あり
  • [学会発表] 嚥下時の舌骨移動開始点の違いが前方と上方移動距離に与える影響-安静位と口腔内保持位から最大挙上位までの距離の検討-2021

    • 著者名/発表者名
      伊賀捺津美、佐藤豊展、柴本 勇
    • 学会等名
      第22回日本言語聴覚学会
  • [学会発表] 呼気抵抗負荷トレーニングによる経口的咽喉頭部分切除術 TOVS術前訓練の効果2021

    • 著者名/発表者名
      谷合信一 荒木幸仁 宇野光祐 冨藤雅之 柴本勇 塩谷彰浩
    • 学会等名
      第44回日本嚥下医学会
  • [学会発表] 摂食嚥下訓練のスキルアップ - 嚥下表面筋電バイオフィードバック訓練を知る -2020

    • 著者名/発表者名
      柴本 勇
    • 学会等名
      第3回 言語聴覚療法技術セミナー
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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