研究課題/領域番号 |
18K09904
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三好 慶忠 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (10508948)
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研究分担者 |
大井 孝 東北大学, 歯学研究科, 大学院非常勤講師 (10396450)
服部 佳功 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40238035)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 口腔保健 / 大迫研究 / コホート研究 / 高齢者 / 口腔機能 |
研究実績の概要 |
長年にわたる8020運動は、健康日本21(第二次)における歯の喪失防止に関する目標(80歳で20歯以上自分の歯を有する者の割合:50%以上)を早々にクリアをすることに寄与したが、高齢期における多数歯欠損者は依然として多く、そのような高齢者に着目した歯科口腔保健目標は確認されない。同様に、高齢期における20歯以上の歯の保有は要介護リスクの提言と関連したとする報告は認めるが、20歯未満高齢者における要介護リスクを軽減する歯科口腔保健指標についてはほとんど検討がなされていない。 令和1年度は、対象の岩手県花巻市大迫町に居住する50歳以上の一般住民91名(男性: 35名、平均年齢:69.6歳)に対して、口腔内診査、アンケート調査の他に細菌カウンタを用いた口腔内細菌数、ムーカスを用いた口腔湿潤度、グミゼリーを用いた咀嚼能率検査およびデンタルプレスケールを用いた咬合力検査、さらに舌圧測定も行いコホートデータの蓄積、集計を行った。 今後はコホートデータの蓄積と共に、統計解析を進める予定である。曝露因子は質問紙調査や口腔診査から得られた歯科保健指標(口腔関連QOL、主観的咀嚼能力、口腔衛生状態、口腔湿潤度、舌圧、咀嚼能力、咬合力、咬合支持状態)、アウトカムは要介護発生やそれとの密接な関連がある認知機能や身体機能(握力、歩行速度)、フレイルとする予定である。20歯未満の検診参加者を対象として、多変量解析を用いて両者の関連を検討することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、岩手県花巻市大迫町に居住する50歳以上の一般住民を対象とした検診データを基に実施するものである。令和1年度の検診事業は、概ね計画通りに遂行されたが、昨今の感染症に配慮した情勢のため2月の検診事業は延期となり、次年度以降に振り分けられることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度については、引き続き検診事業を継続し、聞き取り調査による口腔関連QOLのほか、グミ咀嚼や咬合力検査、舌圧測定などを行うことで、データベースの蓄積に努める。令和2年度は6回の検診を予定しており、100名余のサンプルサイズの拡大が期待される。並行して、20歯未満の保有と関連する歯科口腔保健因子または背景因子等を網羅的に解析を行う予定である。また、20歯未満の保有と口腔関連QOLやフレイルなどの健康アウトカムとの関連について、多変量解析にて検討を行う予定である。得られた成果は、国内外への学会発表、論文投稿を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨今の国内外の情勢により、検診事業が一部中止または延期となった。その分に掛かる費用である、口腔内診査のための消耗品および検診旅費が支出できずに次年度へと繰り越しとなった。次年度以降、検診が振り替えられた場合に使用することとする。
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