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2018 年度 実施状況報告書

ダウン症児OSASの原因部位特定と上顎側方拡大・MFT併用療法の有効性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 18K09916
研究機関鹿児島大学

研究代表者

橋口 真紀子  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (10457658)

研究分担者 丸山 慎介  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (00773780)
岩崎 智憲  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10264433)
山崎 要一  鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (30200645)
村上 浩史  昭和大学, 歯学部, 助教 (30756739)
佐藤 秀夫  鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (40507125)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードダウン症 / 小児OSAS / MFT
研究実績の概要

初年度は研究協力者から得られたデータの3D構築、解析を進めているが、目標に達していないのが現状である。また、ダウン症児の保護者に対して睡眠に関するアンケート調査も実施しており、アンケート結果をとりまとめて、第35回日本障害者歯科学会にて発表を行った。以下は発表の概要である。
緒言:ダウン症児は上顎劣成長や鼻腔狭窄、筋の低緊張などにより、OSAS が30~50%程度に認められ、小児全体の比率と比較して罹患率が非常に高い。また、OSASは上気道通気障害により口呼吸と深く関連することが知られており、全身への重篤な影響が生じる可能性がある。本発表では、小児の口呼吸が睡眠に及ぼす影響を明らかにするため、アンケートを実施し、ダウン症児と定型発達児を比較した。
対象と方法:平成27年7月から平成30年6月にかけて、本学小児歯科ならびに関連病院を受診した0歳から12歳までの患児208名( ダウン症児43名、定型発達児165名 )を対象とした。口呼吸、胸郭陥凹、いびき、睡眠時ならびに起床時の様子に関するアンケートを保護者に実施し、頻度や重症度を統計学的に検討した。
結 果:口呼吸を認めたダウン症児は51.2%、定型発達児は16.4%であり、ダウン症候群児が有意に高かった。また、口呼吸を有する児のうち、いびきの頻度や睡眠中における呼吸停止の重症度、日中の傾眠傾向はダウン症児が有意に高かった。一方、胸郭陥凹や起床後の頭痛、不機嫌さの訴えは有意な差を認めなかった。
考 察 :低年齢児やダウン症児が対象に含まれるため、児の訴えを聴取する項目では評価が困難であった。しかし、口呼吸やいびきなど視聴覚的な判断が可能な項目では、適切な評価が可能であったことからOSASと関連のある項目に関して有意な差を認めたと考えられ、本アンケートは口呼吸が睡眠に及ぼす影響を明らかにするための有効な手段であることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ダウン症児、定型発達児ともに治療前のデータの解析を進めている段階であり、定型発達児の舌位改善後の解析および治療後の予測モデルの作製に至っておらず、進捗状況とするとやや遅れている状況である。しかし、データ解析をした資料においては通気障害が示された鼻腔が、上顎骨側方拡大に伴い拡大され、OSAS症状が改善したことを証明できた。また流体シミュレーション(CFD)はOSAS原因部位の特定に有効であった。ダウン症児にMFTを実施するも、長期的でなければ効果を得ることができない可能性が出てきたため、舌挙上装置の作製、装着が必要と考えている。

今後の研究の推進方策

今後はDown症児の閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)に関する疫学調査により得られた実態から把握した情報をもとに、有効な診断・治療法の確立が目標である。これまで遅れている分のCTデータの3D構築、解析、流体シミュレーションを進めるとともに、次年度の目標である被験者に対する上顎拡大とMFTの治療を同時に進めていく。

次年度使用額が生じた理由

研究の進捗状況が計画通りに進んでいないため、次年度使用額が生じた。次年度では周辺物品に使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ダウン症候群児の口呼吸が睡眠に及ぼす影響ーアンケートによる定型発達児との比較ー2018

    • 著者名/発表者名
      山本祐士,佐藤秀夫, 金田尚子,柳澤彩佳, 橋口真紀子, 菅北斗, 伴祐輔, 宮川尚之, 岩崎智憲, 山﨑要一
    • 学会等名
      第35回 日本障害者歯科学会総会および学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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