研究課題/領域番号 |
18K09918
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
大迫 文重 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10398406)
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研究分担者 |
足立 哲也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10613573)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 骨代謝 / カルテノイド / 歯周関連疾患 / 破骨細胞 / 間葉系幹細胞 |
研究実績の概要 |
歯周病や関節リウマチは、炎症により破骨細胞が活性化され骨破壊が生じる疾患である。骨代謝制御機構(炎症性サイトカインの抑制、破骨細胞分化の抑制、骨芽細胞の活性)に着目すると、炎症性サイトカインの増加に伴い、破骨細胞が活性化することで、これらの疾患は骨吸収が促進する。そのため、炎症を制御することが骨吸収を抑制すると考えられている。また、我が国が迎えている超高齢化社会において、歯周病関連疾患(関節リウマチ、糖尿病、骨粗鬆症等)が原因で骨が脆弱になった高齢者が多くなると考えられる。 我々は、以前の研究で天然由来の食物化合物であるβ-クリプトキサンチン(β-cryptoxanthin 以下、β-cry)が炎症性サイトカインだけでなく、破骨細胞分化因子であるRANKLの発現を抑制することを報告した。β-cryが骨代謝制御機構に与える影響が明らかとなれば、歯周病を初めとする骨炎症性疾患の新たな予防・治療薬になり得ると考えた。 本研究は目的はin vitro・in vivoの系において、β-cryが骨代謝制御機構に与える影響を明らかにする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2018年度はβ-cryの骨原性細胞に与える影響を検証した。マウス間葉系幹細胞株KUSA-A1に骨分化誘導培地にβ-cry添加することで石灰化が促されると予想した。培養7日後、アリザリンレッドS染色を行い石灰化基質の定量化を行った。しかしながら予想に反して、石灰化基質の量はコントロール群とβ-cry添加群では有意差は認められなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は主要な骨代謝関連細胞である破骨細胞に対し、β-cryがどのような影響を及ぼすか検証する。具体的には、ヒトマクロファージ細胞株を破骨細胞分化誘導培地で培養し、β-cry添加することで破骨細胞の分化を阻害するかをTRAP染色・F-アクチン染色(アクチンリング形成)で確認する。最終的には、骨疾患動物モデル(歯周炎・関節リウマチ等)にβ-cryを投与することで治療効果が得られるかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が生じたため初年度実施予定であった、骨芽細胞および破骨細胞に歯周病原菌を作用させ、β-cry添加により炎症性サイトカインに関する評価を次年度に行う費用に充てる予定である。
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