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2018 年度 実施状況報告書

NDBからの糖尿病生活習慣改善因子の因果関係の可視化と医療費シミュレーション

研究課題

研究課題/領域番号 18K09934
研究機関北海道大学

研究代表者

小笠原 克彦  北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (90322859)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードベイジアンネットワーク / 糖尿病 / 医療費シミュレーション
研究実績の概要

近年、国民医療費は増加傾向にある。特に、生活習慣病と関連の深い2型糖尿病は合併症の誘発を引き起こしやすく、罹患した患者は医療費が高額になることが予想される。そこで今年度は医療費シミュレーションのための基礎資料として、高額医療費となりやすい2型糖尿病患者を対象としてベイジアンネットワークによる生活習慣改善因子の把握を検討した。
北海道I市の2016年度の国保レセプトのうち2011~2015年度の5年間の健診データを有する2167件から、2型糖尿病患者の年齢・性別・居住地域・年間通院回数・レセプト病名数・5年間の健診回数・年間医療費・入院の有無の計8データを抽出し、ベイジアンネットワークを用いてモデル化を試みた。更に、年間40万円以上の医療費を支払っている高額医療費患者を対象として、ベイジアンネットワークモデルを構築し、年間通院回数・レセプト病名数・5年間の健診回数・入院の有無の4つの事前確率を変化させ、年間医療費の事後確率の推移、および高額医療費患者の割合の変化について分析した。
事前確率を変化させたところ、高額医療費患者の割合が増加したのは、「入院」、「通院回数が年間18日以上」、「レセプト病名数が14以上」、「健診を5年間で1度も受けていない」となった。これらの特徴を持つ患者に対して、集中的に対策することで医療費の適正化を図る可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究はNDBを活用して糖尿病生活習慣改善因子の因果関係の可視化を行うとともに、医療費シミュレーションによる医療費の適正化の可能性を探ることにある。今年度、NDBの対応が間に合わず、北海道I市での国保レセプトにより、糖尿病を対象としたベイジアンネットワークによる因果関係の可視化に加え、医療費を変化させたシミュレーションを行った。本年度はNDBの利用をもとに分析およびシミュレーションを行う。

今後の研究の推進方策

本年度はNDBの利用をもとにベイジアンネットワークによる生活習慣改善因子の因果関係の可視化および医療費シミュレーションを行う。更に、ベイジアンネットワークの他、潜在クラス分析を用いて、糖尿病合併症による特徴抽出と医療費分析を試みる予定である。

次年度使用額が生じた理由

昨年度、NDB利用に手間取ったため当初予定していたNDBに関わる予算の執行を行うことができず、分析もベイジアンネットワークが中心であったため次年度使用額が生じた。今年度はNDBの利用体制および数理分析システムを計画的に準備を行う。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 潜在クラス分析を用いた国保レセプト患者の併存疾患別医療費の特徴抽出2018

    • 著者名/発表者名
      鈴木哲平、石川智基 、榎本尚司、永井亘、小笠原克彦
    • 学会等名
      第38回医療情報学連合大会
  • [学会発表] ベイジアンネットワークを用いた2型糖尿病患者レセプトデータ分析2018

    • 著者名/発表者名
      熊谷大樹、鈴木哲平、小笠原克彦
    • 学会等名
      日本医療情報学会 第18回北海道支部会学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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