研究課題/領域番号 |
18K09936
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森兼 啓太 山形大学, 医学部, 准教授 (60349272)
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研究分担者 |
福田 治久 九州大学, 医学研究院, 准教授 (30572119)
佐和 章弘 広島国際大学, 薬学部, 教授 (70389104)
藤田 烈 帝京大学, 医学部, 講師 (10743635)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 手術部位感染 / 標準化感染比 |
研究実績の概要 |
JHAIS手術部位感染サーベイランス部門参加が感染率に及ぼす効果を検討した。同部門の全データを使用した.本研究において使用したアウトカムは標準化感染比(SIR)である.術式別・施設別・手術年別のSIRを算出するために,JHAIS全データを用いて,手術部位感染の期待感染率の推定モデルを独自に開発した.解析対象術式は,APPY,CHOL,COLO,REC,SB,CARDである.統計解析モデルは,一般線形混合効果モデルである.施設の影響を変量効果とし,固定効果とした経過年数がSIRに及ぼす効果を,測定年,1年目のSIR値で補正した上で推定した.なお,各医療機関において年間20例以上の症例数を有する年のデータのみを使用した. 解析対象となった施設は,APPY:70施設,CHOL:90施設,COLO:131施設,REC:90施設,SB:34施設,CARD:23施設であり,解析対象述べ年数は73~617施設・年であった.JHAIS参加1年経過によるSIR変化量(P値)は,APPY,CHOL,COLO,REC,SB,CARDでそれぞれ,-0.058(P = 0.007),-0.025(P = 0.166),-0.019(P = 0.018),-0.015(P = 0.165),-0.050(P < 0.001),-0.134(P = 0.031)であった. JHAIS手術部位感染サーベイランス部門に参加することで,各施設のSIRは改善する可能性が高いことが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サーベイランスシステムに参加することによる手術部位感染の減少を、目標より小規模な集団を対象としたPilot Study的な検討で明らかにすることができたため
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今後の研究の推進方策 |
当初計画している、全国の大きなデータベースを利用して、サーベイランスシステムに参加することによる手術部位感染の減少を明らかにする
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、2019年度に出席予定であった海外学会に赴くことができず、また国内の研究打合せが実施できなかった。そのため、旅費を次年度に持ち越すことになり、また関係して発生する予定であったデータ解析のための人件費なども次年度に持ち越すこととなった。
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