研究課題/領域番号 |
18K09945
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
麻生 暁 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50621702)
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研究分担者 |
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 助教 (50644796)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
藤森 尚 九州大学, 大学病院, 助教 (60808137)
清水 周次 九州大学, 大学病院, 教授 (70274454)
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 准教授 (20452758)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 膵癌 / 超音波内視鏡 / 遠隔医療会議 |
研究実績の概要 |
本研究はこれまでに我々が構築した遠隔医療システムを応用し、アジア諸国における胆膵超音波内視鏡(EUS)関連手技の普及と膵癌の診療成績向上を目的としている。H30年度は研究実施計画の通り拠点施設におけるEUS診療の実態調査を行った。具体的には、九州大学とのこれまでの接続実績、実現可能性を考慮して下記を接続施設とした。 接続施設:復旦大学中山病院(上海)、チュラロンコン王立記念病院(バンコク)、インドネシア大学病院(ジャカルタ)、チョーレイ病院(ホーチミン)、マラヤ大学(マレーシア)、北九州市立医療センター、九州大学病院 上記の中から、藤森が平成30年10月にインドネシア大学病院を訪問し、実態調査、情報交換と実技指導を行った。更に麻生、藤森が平成30年12月にチュラロンコン王立記念病院とチョーレイ病院の実態調査と現地指導を行った。チョーレイ病院ではEUSセミナーの講師として、現地のベトナム人医師に対してEUS関連手技の講演を行った。平成31年1月には復旦大学中山病院を訪問した。これらの各施設訪問、実態調査を踏まえて、平成31年3月28日、第一回の遠隔医療会議(1st EUS-Asia teleconference)を開催するに至った。上記の接続施設の内、海外施設からは全て参加頂き、中山病院、チュラロンコン王立記念病院、チョーレイ病院、九州大学病院からプレゼンテーションを行った。その中で、各施設の胆膵領域のEUS診療の現状を共有するとともに、今後の研究発展を目指して情報交換を行った。また、実際の遠隔通信においては、アジア遠隔医療開発センター(TEMDEC)が中心的役割を担い、情報ネットワーク構築を行った。結果として、EUS動画に耐えうる良好な画質を確保した上で、タイムラグのない良好な接続環境が達成され、円滑な会議開催が可能であった。次年度以降も継続予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
参加施設の一部(復旦大学中山病院(上海)、チュラロンコン王立記念病院(バンコク)、インドネシア大学病院(ジャカルタ)、チョーレイ病院(ホーチミン))への訪問並びに情報収集を終えており、定期的な遠隔医療会議開催の礎を築くことができたため。 各施設への訪問、現状調査、実技指導を行い、相互にコミュニケーションを図ることで、今後の遠隔医療会議開催について賛同が得られた。これらを受けて、研究実績の概要へ記載した通り、2019/3/28に第一回の遠隔医療会議(1st EUS-Asia teleconference)を開催した。一方で、参加全施設への訪問は日程・人員面や各国・各施設の受け入れ面からも困難であったため、「おおむね順調に推移している。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書の通り、2年目に当たる平成31年度は遠隔医療会議を定期的に開催することを主要な実施計画とする。併せて、初年度に訪問できなかった施設を中心に現地訪問・情報交換・実技指導を継続することを目標とする。Asian EUS Congress 2019に参加するなどして、各施設との円滑なコミュニケーションを図り、遠隔医療会議への新規参加希望施設があれば、施設追加も検討する。 上記を通じて、遠隔医療会議前後の評価(EUS全検査数から見た膵癌発見率、膵癌のステージ別の発見率、切除可能膵癌症例の総数など)も検討する。また、膵癌早期診断のために必要な知識に関する遠隔講義を実施し、各施設で診断した新規膵癌症例や検査動画を提示し、情報共有を行う。早期膵癌が発見されない場合は、必要に応じてスタッフを現地へ派遣してEUSの実技指導を行う。本研究計画の目標であるアジア諸国における膵癌の早期発見率の向上と診療成績改善を目指して、遠隔医療会議と遠隔教育を継続していく予定である。
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