研究課題/領域番号 |
18K09945
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
麻生 暁 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50621702)
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研究分担者 |
工藤 孔梨子 九州大学, 大学病院, 助教 (50644796)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
藤森 尚 九州大学, 大学病院, 助教 (60808137)
清水 周次 九州大学, 大学病院, 教授 (70274454)
森山 智彦 九州大学, 大学病院, 准教授 (20452758)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 膵癌 / 超音波内視鏡 / 遠隔医療会議 |
研究実績の概要 |
本研究はこれまでに我々が構築した遠隔医療システムを応用し、アジア諸国における胆膵超音波内視鏡(EUS)関連手技の普及と膵癌をはじめとする胆膵疾患の診療成績向上を目的としている。研究実施計画の通り、初年度~二年度までにアジア拠点施設におけるEUS診療の実態調査・現地指導を行うと共に、初年度に発足させたEUSに関する遠隔医療会議(EUS-Asia teleconference)を継続した。2020年度も定期的な海外訪問、人材交流を予定していたが、世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大により研究計画の大幅な変更を余儀なくされた。 具体的には研究者の海外渡航や、海外からの研究者受け入れが事実上困難となった。一方で、インターネットを介した遠隔医療、テレビ会議システムを用いた双方向のコミュニケーションに関しては、期せずしてこれまで以上に重要な役割を果たす結果となり、本研究でも遠隔医療会議の充実を図った。COVID-19による本邦の緊急事態宣言や、各国のロックダウンの中でも、EUS-Asia teleconferenceを途切れさせることなく、継続・拡大発展させた。第5回~7回の遠隔会議を年度内に開催した(開催年月日:2020/5/14, 2020/9/17, 2020/12/17)。COVID-19により、院内に集合することが困難となった海外施設に対して、各個人のパソコンとつなぐ遠隔サポートを行った。利便性かつ柔軟性を併せ持つ遠隔会議の利点を生かすことで、各国のEUS診療の向上へ貢献できたものと考える。 尚、本研究成果の一部として、研究分担者の藤森が術後膵液瘻に対する早期EUS下ドレナージの有用性を原著論文に纏め、報告した(Canadian Journal of Gastroenterology, 2021)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
参加施設のへの訪問並びに情報収集を行い、2019年3月より遠隔医療会議(EUS-Asia teleconference)を開始した。2019年度前半までは海外への直接の技術支援、人的交流を続けていたが、研究実績の概要へ記載した通りCOVID-19パンデミックにより、それが不可能となった。EUS-Asia teleconferenceを継続・拡充させる一方で、直接の人的交流はCOVID-19収束後に再開する方針とした。現在の研究進捗状況、及び世界情勢を鑑み、本研究を1年間延長することとし、次年度へ研究計画を継続する方針とした。 上記を総合して、「やや遅れている。」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は遠隔医療会議の定期的な開催とインターネットを介したEUS技術支援を主要な実施計画とする。併せて、遠隔医療会議の評価(各施設でのEUS診療の向上、遠隔会議の円滑さ等)に関するアンケート調査を行う。 現時点で新型コロナウイルス感染収束の目処は立っていないが、ワクチン普及等により海外渡航条件が緩和され次第、社会情勢を慎重に見つつ、直接の人的交流・技術指導を再開する。一方で、海外渡航が難しい状況が続く場合は、遠隔医療会議の利点を生かし、webを通じた技術指導やデモンストレーション(手技動画の共有)を行う。遠隔医療会議への新規参加希望があれば、施設追加を行う。更にweb会議システムは全世界的に急速に進歩・拡大していることから、これまでの施設単位ではなく参加医師個人のネットワークに繋げる活動(インターネット環境の整備と接続支援)を拡げていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた主な理由は、COVID-19パンデミックによる研究計画変更、研究期間延長のためである。国内及び世界的なCOVID-19の収束状況や、社会情勢も勘案しながら、次年度使用額分の研究費を適切に使用する。本研究内容から、海外渡航や受け入れに要する旅費に使用すると共に、遠隔医療会議のコンテンツの充実を図り、インターネットを介したEUS技術支援への研究費使用を計画する。
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