研究実績の概要 |
【研究内容】 国際動向における漢方医学教育は、国際認証のための医学教育分野別評価基準において教育プログラムの中に「補完医療との接点」という項目があり、漢方医学を含む代替医療のカリキュラム構築は世界的にも求められているといえる。本研究は日本の伝統医学である漢方について医学教育の理論を応用し、模擬患者を用いたシミュレーションによる評価システムであるOSCEを開発することである。さらに漢方信頼性・妥当性の高い漢方医学教育の評価法を開発することで、漢方医学教育の標準化及び進級判定や専門医試験への実用可能性が期待される。 【研究の成果】 我々はブループリントに基づき、評価項目を設定および抽出し、評価表を作成した。ブループリントに基づき、漢方の臨床場面をシミュレートしたシナリオを3課題作成した。さらに模擬患者の養成を行い、漢方のシミュレーション教育に模擬患者が有用であることを示し、標準化された漢方のシミュレーション試験が可能となった。さらに評価者の養成も行い、高い評価者間信頼性を示した。合否についてはAngoff法を用いて合否ラインの検証を行った。このことから我々は漢方医学のための新しい教育評価システムとして漢方信頼性および妥当性の高いOSCEを開発し、漢方医学の臨床能力を評価するための評価方法として提示した。さらに、全国で漢方OSCEが広く実用展開するために、漢方OSCEの運営マニュアルとなるガイドビデオを作成した。本研究は、BMC Medical Education,25;22(1),2022に掲載された。
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