研究課題
研究の目的は、1)献体を用いたサージカルトレーニングを遂行するための、医師の卒後研修体制を構築し、維持すること。2)手術手技を写す端末画像が構築できるプログラムの開発。 3)これらのサージカルトレーニング技術習得支援を動画にていつでも習得できる教材の開発、提供、使用により、正確な手術手技と安全な技術の習得を促進することである。平成30年度のサージカルトレーニングは4回あり、以下の日程で開催された。延べ60名の整形外科医が参加し、手術手技の向上、危険部位の確認を行った。平成30年10月6, 7日:肩関節手術手技、股関節手術手技平成30年10月20, 21日:手・肘関節手術手技、足・膝関節手術手技平成30年11月10, 11日:頸椎手術手技、胸・腰椎手術手技平成31年1月19日:人工膝関節手術手技
1: 当初の計画以上に進展している
股関節骨切り術における術野からは見えない神経血管束との関係を同定した。特に、Curved periacetabular osteotomyではアプローチの部位により外側大腿皮神経損傷の可能性が明確になった。さらに、骨切りラインは術野からはブランドになりやすい閉鎖動静脈と近接していることから安全なノミの刺入部位の同定を行った。Rotational acetabular osteotomyの手術手技の確認と骨切りラインと閉鎖動静脈関係性を確認した。腸恥隆起上に骨切りラインを設定すると、脈管からは約1cmの余裕があることが判明した。さらに、大転子での骨切りの工夫として、術後の大転子骨癒合不全を防止する目的で、step cut法をトライした。この手技の確立により、骨癒合遅延や偽関節などの合併症の防止が可能となると考えられた。杉岡式大腿骨頭回転骨切り術における骨頭への栄養血管であるposterior column arteryの走行と周囲軟部組織、特に股関節包と腸腰筋腱との関係性が立体的に捕らえることができた。本邦で開発されたこの伝統的手術手技は、若手股関節外科医にも正しく伝承すべきものであり、今後の手術手技の教育に重要な手術手技上の情報となった。
1) 2019年度も、数回のサージカルトレーニングを企画している。初期臨床研修医のみならず、シニア医師による手術手技の確認、手術手技の安全の担保を目指した工夫を計画している。2) 手術手技を写す画像に関しては数カ所トライし、手術部位を鮮明にするための工夫や光量の調節が必要と考えられた。3) 動画の撮像に関して、術野のコントラストを鮮明にする撮像の条件設定を検討する。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 16件、 オープンアクセス 16件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
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