研究課題/領域番号 |
18K09950
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
名越 智 札幌医科大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40264527)
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研究分担者 |
藤宮 峯子 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10199359)
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
辰巳 治之 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90171719) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 整形外科手術教育 / 手術ミス / サージカルトレーニング / 伸縮性処理遺体 / 手術シミュレーション / 医療安全 / 手術教育システム / 局所解剖 |
研究実績の概要 |
整形外科手術教育は実際の手術中の実践が中心であったが、手術ミスが社会問題となった。安全で確実な整形外科手術手技の向上、医療事故の防止、医療安全の担保が求められる。このために施行されるサージカルトレーニングは、手術野が実際の手術の感覚に近い状態で、生体と同じくらいの生体伸縮性を有する処理遺体での手術シミュレーションを可能とし、同時に損傷回避部位・危険部位の展開、局所解剖により周囲の解剖学的構造(神経、血管などの重要組織の部位)と手術野の関係の構築を可能とする。 本研究の目的は、①献体を用いたサージカルトレーニング(CST)を遂行するための医師の卒後研修体制の構築と研修体制の維持②手術手技における危険な手術カ所の同定と手術手技遂行後の局所解剖の実施③これらのCST技術習得支援動画の作成である。CSTの実施に関しては、肩関節、股関節、手・肘関節、足・膝関節、頸・胸・腰椎の手術手技、人工関節手術のCSTを平成30年に7日間、平成31年に6日間、令和2年に6日間行い、延べ194名の整形外科医が参加し、手術手技の向上、危険部位の確認を行い、以下の結果を得た。 ①股関節骨切り術における術野からは見えない神経血管束との関係を同定②寛骨臼回転骨切り術における設置した腸恥隆起骨切りラインの安全性担保③大腿骨頭壊死症に対する大腿骨頭回転骨切り術における骨頭栄養血管の温存妨害構造物の同定④腰椎椎間板外側アプローチにおいて椎間孔外側部の手術展開に関してビデオ撮像⑤前・後十字靭帯が温存人工膝関節置換術における靱帯バランスの重要性の認識⑥前距腓靭帯損傷に対する縫合術や靭帯再建術での靱帯設置位置の誤差の同定と修正 この整形外科手術教育システムの研究は、医療従事者に効率的かつ継続的に医療安全に関する教育・研修の機会を提供し、医療の質の向上に寄与した。
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