研究課題
胸痛疾患の最大かつ見逃しが許されない急性心筋梗塞の診断には慎重な作業を要します。結果経過観察が長引くため救急医は疑い症例を積極的に緊急入院、冠動脈造影検査(以後CAG)を行い早急の解決を求めますが、過剰な病棟占有、侵襲的検査増加、医療費増大につながります。欧州心臓病学会より0-1アルゴリズムは来院時と1時間後に高感度トロポニンを測定するだけで安全に患者を層別化できます。本研究は同アルゴリズムの医療費削減効果を明らかにする目的としました。順天堂練馬病院のDPCデータベースをアルゴリズム実施前2013-2014年と実施後2015年以降に分け対象患者をどのようにしたら抽出できるかを検討しました。【フラグの作成】@ 導入前;1)Both_入院;トロポニン、ラピチェック測定(以下簡易検査)が入院時に実施された患者データ、2)flg_algorithm;0; 簡易検査を実施してから1ヵ月以内にCAGを実施していない、1 ; 簡易検査を実施してから1ヵ月以内にCAGを実施している、2 ; 簡易検査を実施してから翌日までにCAGを実施している3)Surg_actday;簡易検査実施以降でカテーテル手術(以後PCI)が実施された日@導入後1)2018_入院;2018年以降に0/1アルゴリズム測定を入院時に実施した患者データ2)Group;01アルゴリズム;0;Ruled outの患者、1;ovservation、2;rule-in。【検討結果】1)導入前データ;対象症例は246例。入院当日、もしくは翌日にCAGを施行している症例を選ぶと25例該当した。うち23例は病変なくPCIは不要、退院となっている。3) 導入後データ; @ 2018年ファイルRule out症例で緊急CAGを施行した症例は7例でいずれもPCIは不要だった。
2: おおむね順調に進展している
DPCの広大データベースから効率的なデータ抽出方法をこれまで検討してきたが、予想どおりの患者データを抽出することが可能となったと判断できるため
普遍性をだすため順天堂浦安病院のDPCデータベース(2014/10-2019/9)も使用する。また当院データベースも導入後2015-2017年まで範囲を広げる。抽出された症例より医療費を算出し0-1アルゴリズム導入前後の削減効果を示す。
新生コロナ感染症により学会活動に制限されたためと考えています。
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Circ J.
巻: 84 ページ: 136
10.1253/circj.CJ-19-0874
Am J Emerg Med.
巻: in press ページ: in press
10.1016/j.ajem.2019.11.035.