研究課題
@高感度トロポニンTを来院時と1時間後に測定し、その値で患者を除外群、入院群、経過観察群に層別化する0-1アルゴリズムの有用性を医療経済削減効果について調べています。除外群では1年後フォローしても有害事象が一件も生じなかったことを昨年夏の欧州心臓病学会及び本年の日本循環器学会で報告いたしました。@意義、重要性;同アルゴリズム導入により不必要な入院、検査が避けられる。@順天堂練馬病院のDPCデータベースを用いて0-1アルゴリズム導入前;2015年と導入後2018年を比較しています。2015年;POCT検査(ラピチェックとトロップT)を施行した症例を胸痛疾患症例として抽出しました。そこに同日、ないしは翌日に緊急冠動脈造影検査、もしくは冠動脈形成術を施行した症例、244名を抽出しました。一方2018年データベースでは0-1アルゴリズムを施行された患者データベースよりRule out 群の中で同日、ないしは翌日に緊急冠動脈造影検査、もしくは冠動脈形成術を施行した症例を425症例抽出しました。しかし2012年症例にはバイオマーカーの結果に問わず緊急冠動脈造影をすべきST上昇型心筋梗塞症例が混入していることが判明したためカテーテル検査データベースに照らし合わせ該当症例を除外し再解析中です。
2: おおむね順調に進展している
一部欧州心臓病学会で発表できたこと、データベースのノイズのコンタミネーションを除くため別個のカテーテル検査データベースと癒合させることによって効率よく患者抽出ができるようになったこと。
年度を広げること。練馬病院だけでなく順天堂大学医学部附属浦安病院のデータベースを用いて普遍性を証明すること。
昨年から今年にかけて新型コロナ肺炎による影響で海外渡航したうえでの会合、会議の出席が制限され、また次年度も少なからずその影響が見込まれるため。
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