研究実績の概要 |
この研究は、胸痛患者に対して欧州心臓病学会(ESC)が推奨した高感度トロポニンを用いた0/1 時間アルゴリズムの医療費削減効果を検討したものです。(DROP-ACS研究;UMIN000030668) に登録された患者の健康保険レセプトを用いて0/1 時間アルゴリズムを用いて対応した患者 (病院 A) 427 名とおよび通常診療対応された患者 (病院 B)での医療費を比較しました。診療の質は30 日以内の全死因死亡またはその後の心筋梗塞に対する感度と特異度で評価しました。病院 A で 100% (91.1% ~ 100%) と 95.0% (94.3% ~ 95.0%)、病院Aでは 92.9% (69.6% ~ 98.7%)、89.8% (89.0% ~90.0%) でした。次に0/1-h アルゴリズムの診断精度を病院 B に実装したと仮定したシミュレーション分析を行うと緊急(24 時間未満)の冠動脈造影検査は 50% 減少し、結果として医療費が 4,033,874円 (3,440,346~4,627,402) 削減される可能性が示唆されました。以上より ESC 0/1-h アルゴリズムは、リスク階層化だけでなく、医療費削減にも効果的と勘げます。本研究は米国心臓病学会で発表(American Heart Association’s annual Scientific Sessions 2022, Chicago, IL and virtual Nov. 5-7, with Pre-Sessions Symposia & Early Career Day Nov. 4)、現在Circulation journalにminor revisionとして対応、返答待ちの状況です。
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